カテゴリー別アーカイブ: 推進校(平成28年)

(茨城県)境町立長田小学校

(茨城県)境町立長田小学校

【目的・ねらい】

アルゼンチン大使館やアルゼンチン協会の方々との交流を通して,アルゼンチンの文化・伝統・言語等への理解を深めるとともに,外国人の人々と意欲的に交流しようとする態度を育てる。

【実践内容等】

1 アルゼンチン国際交流派遣事業
今年初めての事業である。学校独自ではなく,境町教育委員会が主催し実施された。代表児童として5年生3名,6年生3名が参加をした。
○目 的 ・アルゼンチンの小学校を訪問し,現地の小学生と交流することを通して,日本の文化を伝え,長田小とアルゼンチンとの80年以上続く長い交流を歴史に紹介する。
・アルゼンチンの文化に直接触れ,感じることで,アルゼンチンの歴史を理解する。
○期 日  平成28年10月6日(木)~10月15日(土)
○内 容
・エスコバル日本語学校での交流会
・小池ウンベルトさん宅(茨城県人会長)での歓迎会
・ブエノスアイレス市役所訪問・市内観光
・アルゼンチンのテレビ局への出演
・JAPON小学校訪問
・日亜学院との交流
・「アルゼンチンの日の集い」での報告(発表)
・茨城県知事や境町長への表敬訪問

   
小学校訪問の様子       テレビ出演の様子

2 アルゼンチンの日の集い
今年度で28回目を迎える「アルゼンチンの日の集い」だが,昨年度より文化祭である「長田フェスティバル」と組み合わせて行っている。アルゼンチン大使や公使をはじめ,多くのアルゼンチン大使館関係者が来校した。
○目 的 ・アルゼンチン大使館の方々との交流を通して,アルゼンチンの文化・伝統・言語等への理解を深めるとともに,外国の人々と意欲的に交流しようとする態度を育てる。
○期 日  平成28年10月28日(金)
○内 容  午前・・・体育館にて「アルゼンチンの日の集い」
・アルゼンチン大使や来賓の方々のお話
・プレゼント贈呈(大使からもプレゼントがあった)
・歌の贈り物と全校合唱
・派遣事業の報告会 等々
給食・・・大使や参加者と4年生による交流給食
午後・・・各教室で「長田フェスティバル」
・各教室での催し物に大使も参加して児童と一緒に遊ぶ。


大使入場の様子                大使からのプレゼント            交流給食の様子

3 日本アルゼンチン交流サッカー大会
日亜協会主催で2年に1回行われる大会である。アルゼンチン大使館や日本アルゼンチン協会と関わりのサッカーチームが参加をし,低学年の部,高学年の部,大人の部が行われる。
○目 的  アルゼンチン交流の一環として,日本アルゼンチン協会と連携したサッカー大会を開催し,スポーツ(サッカー)を楽しむとともに,アルゼンチン大使館等との交流を深める。
○期 日  平成28年11月26日(土)
○場 所  三菱養和サッカー場(東京都巣鴨)
○内 容  長田小学校,BOCAジュニアズ,オースティンSSの3チームが参加し,それぞれ低学年の部,高学年の部,大人の部にわかれ,リーグ戦方式で行われた。
長田小では,2年前より長田小単独のサッカー少年団が無くなったため,児童と保護者に希望をとっての参加となった。アルゼンチン大使等も応援にみえ,楽しい交流会ができた。

【大使から頂いたアルゼンチンのユニフォームを着て試合に臨んだ長田小の児童】

4 アルゼンチン大使館への訪問
6学年の社会科校外学習として,毎年訪問している。施設の説明を受けたり手作りの郷土料理を試食したりして,交流を深めている。
○期 日  平成29年1月31日(火)
○場 所  アルゼンチン共和国大使館(東京都港区元麻布)

大使から説明を受けている様子               郷土料理のエンパナーダ

5 日亜学院生との交流会
国際交流基金の事業「教育旅行」で来日した日亜学院中等部4・5年生20名が,本校を訪問し,児童達との交流を深めた。
○期 日  平成29年2月10日(金)
○内 容
・体育館での交流会(4校時)
①長田小児童から「歓迎のことば」「アルゼンチンの歌を全員で合唱」
②「鼓笛による校歌演奏と合唱」「児童や町からのプレゼント」
③日亜学院生から「アルゼンチンの紹介」「歌やダンスの贈り物」
・交流給食
日亜学院生が各クラスに2名ずつ入り,一緒に給食を食べる
・一緒に遊ぼう
ロングの昼休みを利用して,各教室や体育館,校庭で給食を食べた日亜学院生と一緒に遊ぶ

一緒にダンス                一緒に給食               一緒に遊ぶ

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

「アルゼンチン大使を招いての長田フェスティバル」や「日亜交流サッカー大会」,「アルゼンチン大使館訪問」は,今後も継続して行われていく。一国の大使が一小学校と交流を続けていることは,特例的なことで,これからもこれらの行事を大切にしていきながら,異文化理解や国際教育の促進をしていくとともに,オリンピック・パラリンピック教育の実践を広げていきたい。

(茨城県)笠間市立笠間小学校

(茨城県)笠間市立笠間小学校

 

【目的・ねらい】

パラリンピックを知り,体験することを通してスポーツの楽しさを味わうとともに障害者スポーツへの関心を高める。

【実践内容等】

1 実践内容

(1) テーマ
「車いすバスケットボール」から学ぶ~講話および,プレー観戦・体験活動を通して~

(2) 実施日   平成28年12月2日(金)午後1時35分~午後2時45分

(3) 内容
笠間市内で活動をしている車いすバスケットボールチーム「T-ROCKETS(ロケッツ)」の方々を講師として,車いすバスケットボールの実演を見たり,競技を実際に体験したりする活動を行った。

(4) 成果
ア 車いすバスケットボールの選手に対して,質問形式の講演会を実施したことで,スポーツの楽しさや障害者スポーツを理解することができた。

イ 車いすバスケットボール選手の実演では,車いすのぶつかり合う迫力あるプレーやパス,ドリブルの正確な技能を見学することで,車いすバスケットボールの特性や技能向上のためには努力することが大切であることを学んだ。

ウ 希望者を対象とした車いすバスケットボールの体験活動では,車いすを使いながらドリブルやパス,シュート練習を継続することでより良い結果が得られることを学ぶことができた。

シュートが決まった時には,会場内に歓声が上がるなど,障害者スポーツの魅力を感じ取る良い機会となった。

(5) 児童の感想
ア 今日,初めて車いすバスケットボールを見ました。とても迫力のあるプレーに見とれてしまいました。競技用の車いすでプレーすることがわかりました。

イ 講演の中で「スポーツは,楽しく,一生懸命におこなってほしい。」という言葉が印象的でした。

何事も最後まであきらめず,一生懸命に行おうと思いました。

ウ 体験ではシュートがとても難しかったけど,とても楽しかったです。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを応援したい。

2 事後のアンケート調査結果
車いすバスケットボールの講演,プレーの体験を通しての成果は下記の通りである。

・ オリンピック,パラリンピックについて,

よくわかる時間となりましたか。

大変よかった     85.2%

よかった       12.7%

あまりよくなかった   1.1%

よくなかった      1.0%

・ 2020年に開催される「東京オリンピック,パラリンピック」を応援したいと思いますか。

とてもそう思う    78.3%

そう思う       18.7%

あまり思わない     2.5%

思わない        0.5%

3 活動の様子
(1) 競技者による講演・質問の様子                  (2) 競技者による実演の様子

     

(3) 車いすバスケットボールの体験①            (4) 車いすバスケットボールの体験②

     

 

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・ オリンピア・パラリンピアを講師とした講演や実技,体験活動を実施する際の依頼方法・手段等について,不慣れのため難しい点があった。

・ 児童数が多い学校においては,講師を依頼し体験活動をする際に体験活動の場所と時間が不足する可能性がある。

・ オリンピック・パラリンピック教育を単元を通して実践する際に,授業時間の確保が難しい。

(茨城県)ひたちなか市立佐野小学校

(茨城県)ひたちなか市立佐野小学校

【目的・ねらい】

オリンピック・パラリンピックに関する知識を身に付け,スポーツの価値を再認識するとともに,障害のある人の生き方や考え方について学び,夢に向かって努力することができる児童の育成を図る。

【実践内容等】

1 教師の願い
○本事業を通して,865名の児童一人一人に,「感動」を与え,「笑顔」にさせ,「思いやりの心」を育ませたい。

児童は,オリンピック・パラリンピックに対し関心をもっているのか?

2 オリンピック・パラリンピックに関するアンケートの実施

○ オリンピックを知っていますか。   (全児童対象:10月15日実施)
知っている  93%     知らない    7%

○ パラリンピックを知っていますか。
知っている  78%     知らない   22%

○ 今年のオリンピック・パラリンピックが行われた国を知っていますか。
知っている  49%     知らない   51%

○ 2020年に行われるオリンピック・パラリンピックの国を知っていますか。
知っている  61%     知らない   39%

【アンケート結果から】
○オリンピック・パラリンピックに関する児童の関心を高める必要がある。
○特に,パラリンピックについては,競技等を紹介するなど具体的な教育活動を展開する必要がある。

3 オリンピック・パラリンピック教育の全体計画の立案
(1) 立案のポイント
○ オリンピック・パラリンピック教育と関連する教育活動は,何か。
→どの教育活動でできるか
→どのような活動ができるか

(2) オリンピック・パラリンピック教育の全体計画
① オリンピック・パラリンピックギャラリーの設置
② 道徳の時間における教育
③ 外国語活動における教育
④ 人権教育の実施
⑤ パラリンピアンとのふれあい集会の実施
⑥ 障害者スポーツ「ボッチャ」の体験
⑦ おもてなしの心やマナーの教育

4 具体的な取り組み
(1) 環境づくり『オリンピック・パラリンピックギャラリー』の設置
オリンピック・パラリンピックへの児童の関心を高める手立てとして,職員室廊下にオリンピック・パラリンピックギャラリーを設置し,オリンピック・パラリンピックの歴史や精神,関連する新聞記事や児童の感想等を掲示した。

(2) 道徳の時間における教育
道徳主任・道徳部員を中心に,オリンピック・パラリンピック教育に関連する内容項目の検討をした。

内容項目を「思いやり」「親切」「郷土愛」「愛国心」「国際理解」に絞り,各学年で道徳の授業を実施した。
<5年 国際理解「世界の人々とつながって」>

(3) 外国語活動における教育
ア 毎時間,ウォーミングアップの時間に,AETとともに外国の人とのあいさつの仕方の練習をした。
イ 6年生では,2つの単元「Turn right !」「Let go to Itary」において,オリンピック・パラリンピックに向け,児童にとって必要であろう会話について,AETとともに繰り返し練習をした。

< 6年生 Turn right ! >
外国の人に道を尋ねられた時の答え方や案内の仕方の練習

< 6年生 Let go to Itary  >
さまざまな国の名前の言い方にの練習

ウ 2つの単元の後,6年生全員で各国の国旗を作り,その国旗を「パラリンピアンとのふれあい集会」や「おもてなし講座」の会場に掲げた。

(4) 人権教育の実施
オリンピック・パラリンピックの教育の根底にあるのは,「人権教育だ」と考えた。そこで,法務省から出ている資料「いっしょに学ぼう!障害のある人に人権」が,各学校に配付されていることを知り,法務省と水戸の法務局に問い合わせ,450冊の資料をいただいた。この資料は,オリンピック・パラリンピックについて絵と分かりやすい文章で説明されており,大変効果的な資料であった。本校では,この資料を活用し,全学年で人権について学習をした。

(5) パラリンピアンを招いた交流会「パラリンピアンとのふれあい集会」の実施
日本ウィルチェアラグビー協会のご協力をいただき,北京・ロンドンパラリンピックの2大会に出場し,リオパラリンピックでは,アシスタントコーチを務めた「三阪 洋行氏」とリオパラリンピック銅メダリストの「羽賀 理之選手」を招き,交流会を実施した。交流会は,集会委員会の児童が計画を立て,児童主体の交流会となった。この集会の様子は,NHKでも放映され,児童はもちろん,オリンピック・パラリンピックに対する保護者の関心を高めるイベントとなった。

この集会を通して,わたしたち教員が何時間もかけて授業を行うより,「本物に触れる」ということが,一番子どもたちの心に響くということを実感した。また,お二人からは,「できない」じゃなく,どうすればできるか工夫すること」「たくさんの違うに出会うこと」「続けることで夢はかなう」というお言葉をいただき,まさしく,児童一人一人が,『感動』『笑顔』いっぱいの時間を過ごすことができた集会となった。
<児童の感想・・集会を終えて>

今まで,自分はやりたい事や本当の夢を誰にも伝えないで黙っていました。今回の「パラリンピアンとのふれあい集会」を通して,三阪コーチと羽賀選手の言葉を聞いて,自分も心の中にある思いを伝えなきゃ,行動にうつさなきゃいけないと思いました。そして,三阪コーチと羽賀選手のように自分もいつか夢を実現したいと強く感じ,教えて下さった「続けていれば夢は叶う」と言うことを心に刻み,お二人のかっこいい姿を忘れずにがんばります。     6年 R,S

(6) 障害者スポーツ「ボッチャ」の体験
体育部が中心となり,障害者スポーツの一つである「ボッチャ」を授業の中で扱うことにした。授業で使用するボッチャ用品は,大阪にある日本ボッチャ協会に問い合わせ,3セットお借りした。協会の方によると,現在,各地から貸出の依頼が殺到しているそうだ。なお,授業を行うにあたり,事前に体育主任が講師となり,職員研修を行った。このスポーツの良さは,いつでも,どこでも,そして,だれにでもできるスポーツだということである。また,ボッチャについては,ネットでも競技に関する情報が多々あり,4年生は,インターネットからボッチャのルールや競技に関する動画をアップし,児童に見せ,教室でボッチャを楽しんだ。

<職員研修の様子>

<授業の様子>

(7) 「おもてなし講座」(保護者:自由参観)の体験
日本航空客室乗務員で筑波大学客員教授の江上いずみ先生を講師に招き,オリンピック・パラリンピックで海外の人を温かく迎えるためのあいさつ仕方やおもてなしの心,マナーについて学習した。あいさつには,「同時礼」と「分離礼」があり,本当のおもてなしのあいさつは,相手の目を見てあいさつをし,それからおじぎをすることや「アイコンタクト」「笑顔は,1円もかからないおしゃれ」だということなどたくさんのことを学ぶことができた。

<おもてなし講座の様子>

<朝のあいさつの様子>

<児童の感想>

5 成果
(1) オリンピック・パラリンピック教育を進める上で,本校の教育活動に関連することをポイントに教育課程の中でのオリンピック・パラリンピック教育の位置づけを考え,オリンピック・パラリンピック教育の全体計画を立てた。そのことにより,さまざまな教育活動においてオリンピック・パラリンピック教育を推進することができた。その結果,教育課程において,オリンピック・パラリンピック教育と関連する活動が多々あるということを再認識した。また,全学年で取り組める内容であったことも大きな成果だったと言える。

(2) 児童は,これらの教育活動を通して,オリンピック・パラリンピックに関する知識を身に付け,スポーツの価値を再認識するとともに,障害のある人の生き方や考え方について学び,夢に向かって努力することができる児童の育成を図ることができた。

<児童のアンケート結果>(全児童対象:2月20日実施)
○ 2020年に行われるオリンピック・パラリンピックに関心がありますか。
ある 100%     ない 0%

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

○学校予算だけでは,備品や教材の確保や人材等の交渉に限界がある。
○保護者や地域への啓発や連携が必要である。

(茨城県)日立市立会瀬小学校

(茨城県)日立市立会瀬小学校

【目的・ねらい】

・パラリンピアンとの交流や体験を通して、夢をもつこと、努力することの大切さを学び、共生社会について考える。

・オリンピック種目の1つを体験することを通して、スポーツすることの楽しさや喜びを味わう。

【実践内容等】

1 講演会(全学年対象)
(「パラリンピアンとのふれあい集会」
ウィルチェアラクビーの三阪洋行さんを講師として招き、障害をもった方々の考え方や生き方、車椅子ラグビーの紹介や実体験をさせていただいた。その中で、「いろいろな違いに出会おう」「『できない』じゃなく『どうすればできる』」「続けることで夢はかなう」のメッセージをいただいた。


<ウィルチェアラグビー体験>             <銅メダルとハイタッチ>

【児童の感想から】
・3つのメッセージを信じていきたい。パラリンピックを見に行きたいし、応援したい。(1年)
・ちょうど3位決定戦をテレビで見た。最後ぎりぎりで日本が点を取り、メダルを獲得したときの迫力と、今日間近でみたタックルは、また違った迫力があった。(4年)
・自分たちと違うところがあっても、ちょっとした工夫で何でもできることが分かり、できないとすぐにあきらめずに頑張ろうと思った。(5年)

2 体育科での取り組み

(1)「オリ・パラ」に関するアンケートの実施(第5学年対象)
本事業を受け、児童がオリンピック・パラリンピックについて、どの程度認識しているかを、アンケート調査した。結果を以下に掲載する。
リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが開催された影響もあり、「オリンピックを知っているか?」という設問に対して、93.1%が「よく知っている」「少し知っている」、「パラリンピックを知っているか?」という問いに対しても、82.7%が「よく知っている」「少し知っている」と答え、認知度の高まりがうかがえる。一方で、競技種目や詳しい内容については認知度に偏りが見られ、メディアで大きく取り上げられる種目以外や、パラリンピックの種目に対する認識が低いことが分かった。2020年東京開催については、100%が「知っている」と答え、「見に行きたい」と答えた割合も、男子で57.6%、女子で42.3%と約5割が興味を示している。しかし、「自分も種目をやってみたい」と答えた割合は、男子9.1%、女子11.5%と低いことが分かった。

(2)第5学年 体育科(単元「タグラグビー(ゴール型ゲーム)」
本校では、第5学年体育科ボール運動領域のゴール型において、オリンピックの新種目である「7人制ラグビー」と関連させて、「タグラグビー」を設定した。まず、導入のオリエンテーションで、「7人制ラグビー」及び「タグラグビー」の実際の競技の様子を映像で視聴させながら、運動の特性やルール等について理解を深めていった。そして、タグの取り方やボールの扱いなどの基本的なスキル、個人の動きから仲間と連携した動きへと発展させ、ゲームへと繋げていった。その中で、トライへと繋げるための作戦や練習を児童同士で話し合いながら行わせることで、状況を判断しながら、仲間と協力してボールをゴールラインまで運ぶという、ラグビーの特性にふれることができた。
また、このことは、体育科学習評価の観点である「思考・判断」に大変参考になったと考える。さらに、体育科における「アクティブ・ラーニング」を考えていく上でも参考になったと考える。
このような学習を受け、未知のスポーツへの意識や興味関心の変容、運動の苦手な児童でも、ボールを持って走る楽しさ、仲間と対話し、協力しながらゲームを進めていく喜びなど、スポーツを楽しもうという心の育成に繋がったと考える。授業後のアンケートを見てみても、「こわい」「危険」「激しい」「ケガをする」などの、ラグビーに対するマイナスイメージが減少し、「楽しい」「おもしろい」「協力が必要」など、競技への見方に変容が見られた。「またやりたいか?」という問いに対しても、「やりたい」「少しやりたい」と答えた割合が100%と意識の高揚が見られた。

〈授業の様子〉

体育科の授業でタグラグビーを実施したことは、オリンピック種目への関心を高めることに繋がった。また、ラグビーの競技特性にふれることで、「友情、連携そしてフェアプレーに基づく相互理解」というオリンピック精神を培いながら、スポーツを楽しむ心の醸成に有効であったと考える。

3 おもてなし講座(第3学年以上対象)
(演題:グローバルマナーとおもてなしの心)
筑波大学客員教授の江上いずみ先生を講師として招き、「おもてなしの心の行き先」や「おもてなしをする表情」、「おもてなしのあいさつである分離礼」、「国際理解教育としての握手のポイント」等について、話をしていただいた。児童は真剣に聞き、その後、それらを実践している児童が増えた。

<おもてなし講座の様子>

【児童の感想から】
・1月31日に乗った、2020年東京オリンピック・パラリンピックへの飛行機を楽しんでいきたい。(3年)
・おもてなしの意味が表も裏もないことだと知ってとても驚いた。(3年)
・江上さんはとても笑顔がすてきだったので私も同じように笑顔で、おもてなしの心で楽しくすごしたい。(4年)
・東京オリンピックでは、たくさんの外国の人が日本に来ると思うので、教えてもらったおもてなしの心を生かし行動していきたい。(5年)
・気遣いや心配りのときの姿勢や表情などの小さなことの大切さがよく分かった。(6年)
・「おもてなしの心」とは、態度や言葉遣いも含まれていて、すべてのことに気を遣っておもてなしをした方が相手も自分もよい気持ちになるのかなと考えるようになった。これからは行動に移していきたい。(6年)

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

●年度途中での計画・実施であったので、年間通して計画的に実施できるよう、関連した内容を行事計画や体育科の学習計画に組み込むなど、綿密な計画が必要。

(茨城県)常陸太田市立西小沢小学校

(茨城県)常陸太田市立西小沢小学校

【目的・ねらい】

①オリンピック競技についての理解を深める
②オリンピアンの競技に取り組む姿から,スポーツを愛する気持ちに共感することにより,スポーツへの興味・関心の高揚を図る

【実践内容等】

1.日本航空元チーフCA,現筑波大学客員教授 江上いずみ先生をお招きしての「おもてなし講座」の実施
(1)期 日:平成29年1月31日(火)

(2)場 所:西小沢小学校体育館

(3)演 題:グローバルマナーとおもてなしの心
~2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて~

(4)プログラム:
13:15 【開場】
13:30~13:35【開会行事】司会・進行(児童)
①はじめの言葉
②学校長あいさつ並びに講師紹介
13:35~14:40【おもてなし講座】
14:40~14:45【閉会行事】司会・進行(児童)
①はじめの言葉
②お礼の言葉(児童代表)
③花束贈呈(児童代表)
④終わりの言葉
⑤江上先生からの提案により全員で写真撮影
⑥江上先生と握手でお別れ


(5)児童の感想文より
わたしは最初,おもてなしと聞いて「なんのことだろう」と思いました。わたしが初めてこの言葉を聞いたのは,東京オリンピックが開さいされると決まったときに,たき川クリステルさんが「お・も・て・な・し」と言っていたときでした。それ以来よく聞く言葉ですが,よく意味が分からないところもありました。
しかし,今日の先生のお話を聞いて,おもてなしについてよく知ることができました。おもてなしをするときには,表情,態度,身だしなみ,言葉づかい,あいさつをしっかりとするということが大切だと分かりました。
今日教えていただいた経験を生かして,これからの生活でおもてなしの心をもって過ごせるように努力したいです。
2019年には茨城国体が行われます。翌年の2020年には,いよいよ東京オリンピックが開さいされます。2020年というとわたしは高校生になっているので,何らかの形で県外や外国から来る方々をおもてなしすることに関わることができればいいなと思っています。そして,江上先生のように,いつも笑顔で温かい気持ちで接する人になれるようがんばります。

(6)成果
江上先生の講演後に児童に表れてきた行動がいくつか見られる。
・あいさつをする際に,きちんと相手の顔を見る児童が増えた。
・児童が職員室に入室する際のノックのマナーが江上先生のご指導の通りに改善されてきている。
・会話の中で,by name(相手の名前を呼んで)を意識して話をする児童が増えた。
・今まで同時礼(言葉とおじぎが一緒)をしていた児童が多かったが,分離礼(言葉のあとにおじぎ)を心がける児童が増えた。

2. ロンドンオリンピック柔道女子銀メダリスト 杉本美香先生をお招きしての講演会開催の実施について
(1)期 日:平成29年3月6日(月)

(2)場 所:西小沢小学校体育館

(3)演 題:オリンピックまでの道のりと柔道で学んだ大切なこと
~2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて~

(4)プログラム:
10:20 【開場】
10:35~10:40【開会行事】司会・進行(児童)
①はじめの言葉
②学校長あいさつ並びに講師紹介
10:40~12:00【講演】
【実演】①アシスタント(筑波大卒業生)との本格的な組み手を披露していただく
②1~5年生の希望者と6年生全児童(15人)に柔道の技を教えていただく
③銀メダルを見せていただく
④質疑・応答
12:00~12:05【閉会行事】司会・進行(児童)
①はじめの言葉
②お礼の言葉(児童代表)
③花束贈呈(児童代表)
④写真撮影
⑤おわりの言葉



(5)児童の感想文より
わたしが今回特に感動したことは,2つあります。
1つ目は,人と人とのつながりについてです。今回杉本先生がこの西小沢小学校に来てくださることになった経緯に,わたしはびっくりしました。杉本先生といっしょにロンドンオリンピックに出場した福見友子さんがいらっしゃいます。その福見さんのお兄さんがわたしたちの担任の梅原先生の教え子さんだそうです。そのお兄さんのはからいで,杉本先生がわたしたちのところに来てくれることになったとうかがいました。人と人とのつながりがわたしたちを杉本先生に会わせてくれたことに感動しました。
2つ目は,オリンピック選手でもあり,有吉ゼミにも出ていた杉本先生を間近で見るだけでなく,直接組み合うことができたことです。わたしはオリンピック選手はテレビの中でしか見られない存在だと思っていたので,杉本先生がこの西小沢小学校に来てくださったことは,とてもうれしかったです。
わたしには和菓子屋になりたいという夢があります。わたしは何かをするときに楽になる方を選ぶことが多いのですが,杉本先生のお話を聞いて,夢を実現するために,わたしもつらい方を選んでがんばりたいと思います。「絶対にあきらめないこと」「礼儀作法を大切にすること」そして杉本先生のように,いつも「笑顔」でがんばります。
わたしたちはもう少しで西小沢小学校を卒業して峰山中学校に行きます。峰山中学校では1年生から3年生まで体育で柔道をします。3つの小学校が一緒になって入学しますが,体育で柔道をするときになったら,今日のことを他の学校から来た友達に自慢したいです。その授業では,杉本先生から教えていただいたことを思い出して取り組みます。
杉本先生は,今日ここに来てくださったように,他の場所でも柔道の楽しさを広める活動をされています。また,テレビにも出演して楽しいお話をされているので,わたしはこれからもてれびやインターネットで活躍されている姿を見るのを楽しみにしています。

(6)成果
・杉本先生のお話や実演を通して,何人かの児童が柔道を始めてみたいと言っている。

・杉本先生がお話の中で「絶対にあきらめない」「礼儀作法が大切」「笑顔で人に接することが大事」「自分の進む道に迷った際に,人のせいにしないために自分で決めることが大切」「楽な方ではなく,辛い方を選んだ方がよい」「苦しいことに立ち向かう勇気をもつことが大事」などとおっしゃられたことをしっかり覚えていて,感想の中に書いた児童が多かった。それだけ,児童の心に響く話だったのだということが伺えた。
児童がこれからの人生の中で悩んだ際にきっとこの話を思い出してくれるであろうと期待している。

・今回のオリンピック・パラリンピック推進事業の2つの講演会を通して,オリンピックやパラリンピックを身近なものと感じ,関係する知識を増やしたい,おもてなしの気持ちをもって他の人に接したい,ひいては,自分もオリンピックに出てみたいと思う児童が増えた。オリンピック・パラリンピックの意識の高揚と醸成が行われたのではないかと思う。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

○学校全体でオリンピック・パラリンピック教育を進めていくための,本事業の内容,方法等を全職員で共通理解して共有していくことが大切である。

○講演会の講師依頼について,おもてなし講座は,県が選定してくだっさった方にお願いすることができた。しかし,オリンピアンの講演会の方は,本校独自に講師派遣をお願いする際に,たまたま職員の教え子を介しておいでいただくことが実現できたが,当初お願いしたいと考えていた方とは職場と連絡はとれたものの,返事待ちの空白の2か月ほどがあり,結局返事をいただけないままになってしまった。真っさらな状態から講師を選定し,交渉をするのは,各小中学校,高等学校,特別支援学校単位では難しいのではないかと感じた。もう少し,県の方のお力添えをお願いしたい。

(茨城県)鹿嶋市立平井小学校

(茨城県)鹿嶋市立平井小学校

【目的・ねらい】

〇新しいオリンピック種目に興味を持って応援しようとする心を育てると共に,スポーツを愛する気持ちに共感し,自分自身のスポーツへの関心や意欲を高める。
〇パラリンピックの競技についての理解を深める。

【実践内容等】

【実践内容】
1 新種目「空手」の形の体験と実技発表での取組
(1) 内容
低学年(1・2年)は,新種目である「空手」の形の体験と実技発表会に取り組んだ。
ア 基本(正座・礼・拳の握り方)の実技練習
イ 固定基本(中段突き)の実技練習
ウ 移動基本(かまえ・立ち方)の実技練習
エ 組手(基本・ミット打ち)の実技練習
オ 形「平安初段」の練習及び実演

基本の突き方練習       形「平安初段」の練習

(2) 児童感想
・上手な人と同じようにしたいです。ぼくは,空手を人のやくになるようにしたいです。
・空手がたのしいです。またやりたいです。
・わたしは空手がすきになりました。もっともっとじょうずになりたいです。
・しょうらい空手をならってみたいとおもいました。
・オリンピックで空手が金メダルがとれるといいなと思います。

2 「手作りオリパラかるた」の作成とかるた大会での取組
(1) 内容
中学年(3・4年)は,手作りオリンピック・パラリンピックの種目についての「かるた」のの作成と「オリンピック・パラリンピックかるた大会」に取り組んだ。
ア ブロック(中学年)によるオリンピックについての動画の視聴
イ オリンピック・パラリンピックの歴史や競技の調べ学習
ウ 4年生:「手作りかるた」の作成
・インターネットや本を使ってかるたの絵と文を考え,取り札・読み札の作成をする。
エ 3年生:4年生が作ったかるたの色塗りをし,かるたを完成させる。
(オリンピック種目:赤い縁取り  パラリンピック種目:青い縁取り)
オ 3年生・4年生による「手作りオリパラかるた大会」の実施


「インターネットによる調べ学習」   「3年生による取り札の色塗り」

(2) 児童感想
・色々なしゅ目があり,オリンピックに出る人をおうえんしたいと思いました。
・色々なしゅ目があっておどろきました。あと,10枚とれて良かったです。
・2020年には,東京オリンピックを見に行きたいです。

3 「おもてなし講座」と「ブラインドサッカー」大会での取組
(1) 内容
高学年(5・6年)は,「おもてなし講座」を通して「おもてなしの心」について学んだり,ブラインドサッカー体験を通して「障害者スポーツ」について取り組んだ。
ア 5・6学年が,「おもてなし講座」を受け,「おもてなし」の心を学ぶ

「おもてなし講座」に興味津々で,ALTの先生は感激していました。

イ オリンピック・パラリンピックについての映像を見たり,競技について調べる。
(ア) オリンピックについての映像を見たり,本を読んだりしてパラリンピックの競技について調べる。
(イ) パラリンピックの競技について調べた内容を各自,新聞にまとめる。

(ウ) ブラインドサッカーの体験をする。(練習とゲームの体験)

(2) 児童感想

4 「ヒラインピック IN 2017」の取組
全校(全児童)「ヒラインピック IN 2017」に取り組んだ。
(1) 内 容
ア ブロック(低・中・高)で,「ヒラインピック IN 2017」の計画・立案をする。
イ 「ヒラインピック IN 2017」大会の実施
1 開会式  進行:計画委員会
①開会宣言(ヒラインピック大会委員長(校長)あいさつ)
②選手宣誓(計画委員会代表)
③競技委員長の話(諸注意:体育主任)
2 演 技
①低学年 1・2年生:空手演舞
②中学年 3・4年生:オリンピック・パラリンピックかるた大会
③高学年 5・6年生:ブラインドサッカー(練習又は説明)
3 閉会式  進行:計画委員会
①各学年からの感想発表
②6年生から「おもてなし講座」の説明・感想


「選手宣誓」                           「おもてなし講座」発表


「空手:模範演技」                           「1・2年生による空手発表」


「手作りオリパラかるた大会」                           「ブラインドサッカー」の競技

5 活動のまとめ

(1) アンケートの実施と活動についてのまとめ

1 「ヒラインピック IN 2017」を体験してオリンピック・パラリンピッ
クに対して興味をもちましたか。
①とても興味をもった    72.7%
②少し興味をもった     23.7%
③あまりかわらない      3.6%

2 2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」を見に行きたいですか。
①はい           77.0%
②わからない        13.3%
③いいえ           9.7%

3 もしあなたがオリンピックに出場するとしたらどんな競技に出場したいですか?
・空手  ・水泳  ・柔道  ・サッカー ・テニス  ・卓球
・バトミントン  ・ゴルフ  ・新体操  ・アーチェリー  ・陸上
などの種目が多かったです。
*「オリンピック・パラリンピック」教育を通して,様々な競技種目があることに気づきました。

(2) 児童の感想
・オリンピック・パラリンピックでは,とても色々な競技があるということを
3・4年生のカルタでわかりました。
・オリンピックで知らない競技や新種目などを知れて良かったです。
・ブラインドサッカーを体験してパラリンピックの選手はすごいと思いました。
・ブラインドサッカーは難しいし,こわさもあったけど楽しかった。
・1・2年生の空手がかっこよかったです。
・オリンピック・パラリンピックを応援していきたいです。
・競技かるたをやっているのを見て,やりたくなりました。

(3) 成果
・色々な競技に興味を持つことができた。
・楽しんで取り組む事が出来た。
・オリンピック・パラリンピックに対しての意識が変わった。
・パラリンピックについての認知度が高くなった。また,実際に経験したことで苦労が伝わってきた。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

〇 「オリンピック」は身近であるが,「パラリンピック」は興味を持つまでには時間がかかる。
〇 「ブラインドサッカー」など,競技には道具が必要だが,簡単に手に入らない。

(茨城県)鉾田市立旭東小学校

(茨城県)鉾田市立旭東小学校

【目的・ねらい】

○ 障害者スポーツについての理解を深める。
○ パラリンピックについての理解を深める。
○ 「共生社会」についての理解を深める。
○ 障害のある方々が,一生懸命にスポーツに取り組む姿から,スポーツを愛する気持ちに共感し,自分自身のスポーツへの関心や意欲を高める。

【実践内容等】

1 車イスバスケットボール体験学習会
(1) 講師
スピニング・フーブス・レボリューション代表 齋藤 信之 氏
他車イスバスケットプレーヤー 5名
(2) 内容
○ 車イスバスケットボールの紹介,車イスバスケットボールを始めたきっかけ,車イスバスケットボールを通して学んだこと等のお話を伺った。
○ 車イスの操作方法を教えて頂き,実際に車イスを操作し,車イスバスケットボールのゲーム体験を行った。

【車イスバスケットボール用車イスの操作を教わり,ゲームをする児童】

(3) 感想
○ 老人やけがをした人が使う車イス以外に競技用の車イスがあることを初めて知りました。
○ 今まで車イスや障害のある人をかわいそうだと思っていました。でも,齋藤先生は車イスに乗っていましたが,とても元気で悲しい顔をしていませんでした。
○ 齋藤先生の「がんばった分だけ自分に返ってくる」という言葉を忘れずに,何事にも挑戦していこうと思いました。
○ 車イスバスケは,足が不自由な人も不自由でない人もできることを知りました。
○ 車イスマークの駐車場所の意味(車イスを出し入れするために他の駐車場所より広くなっていること)を初めて知りました。車イスを使っていない人は,絶対に止めてはいけないことを家の人に教えようと思いました。

2 「おもてなしの心」の授業
(1) 講師
筑波大学客員教授 江上 いずみ 氏
(2) 内容
「グローバルマナーとおもてなしの心」
~2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて~

【挨拶を交わす講師と担任】                  【挨拶の練習をする児童】

(3) 感想
○ 「おもてなし」は「表なし」だから「裏もない」ことを初めて知りました。
○ 第一印象は,服装・表情・態度で3~5秒で決まることにびっくりしました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックで初めて合う人たちに良い印象を与えられるようにしたいです。
○ 目→もの→目,家族に対しても心を込めて実行していきたいと思います。
○ 2020年東京オリンピック・パラリンピックに外国の方々がたくさん来るので,日本にまた来たいと思えるようなおもてなしをしたいと思いました。
○ 目を見て挨拶することの大切さ,笑顔,背筋をのばすと相手にとても良い印象をあたえます。実行していこうと思います。

3 ブラインドサッカー体験学習会
(1) 講師
筑波技術大学 福永 克己 氏(ブラインドサッカー日本代表コーチ)
佐々木ロベルト泉 氏(ブラインドサッカー日本代表)
森田 翼 氏
(2) 内容
ブラインドサッカーについての説明,アイマスクを付けて視界が奪われた世界でコミュニケーションをとる方法(声を出す・ボディータッチをする)を学び,実際に歩行体験を行ったあと,ブラインドサッカー体験を行った。
(3) 感想
○ 目が見えなくても,ドリブルで走ったり,凄いスピードのボールを蹴ったりして,普通に見えている人とまったく変わりなかった。
○ 障害があっても明るく,とっても楽しそうにサッカーをやったり,普通に箸を使って食事をしたりして,とっても凄いと思いました。
○ ブラインドサッカーを体験して,音だけで動けてとっても凄いと思いました。立つだけでもとっても怖くて,歩けないのに,ロベルト先生や 翼先生は凄いと思いました。
○ 東京パラリンピックでロベルト先生や翼先生が出る,ブラインドサッカーを応援したいと思いました。
○ 2020年の東京オリンピック・パラリンピックがとても楽しみです。

【ブラインドサッカーの説明を受け,グループ練習をする児童】

4 成果

事前調査において,リオオリンピックの開催された年であったので,90%以上の児童がオリンピックの存在を認識していた。
しかし,同様に開催されていたパラリンピックについて知っている児童は半数ほどであった。
また,障害者スポーツに対する認知度はさらに低く,「パラリンピック」という言葉だけの知識と考えられる。
本事業終了後の2月のアンケートでは,上表のように,5・6年児童のほぼ全員が認知度の低かったパラリンピック・障害者スポーツの認識を高めることができた。2020年の東京オリンピック・パラリンピックが楽しみになったとの声が聞かれるなど,オリンピック・パラリンピック・障害者スポーツへの関心を高める上で非常に有効な授業であった。
車イスバスケットボール・ブラインドサッカーの授業をとおして,障害があってもなくても,一緒のコートで同じようにバスケットやサッカーを楽しむことできることを知ったことは,児童にとっては大きな成果であった。
また,障害があることイコール,辛いこと・悲しいことと考えていた児童がほとんどであったが,障害を持った上での生活でも,明るく・前向きで,できないとあきらめることなく,どんなことにもチャレンジし,努力している姿に大きな影響を受け,努力する大切さ・あきらめない大切さを学んだ。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

○ 今回は,5・6年生を対象にオリンピック・パラリンピック教育を実施したが,オリンピック・パラリンピック教育を充実させるためには,全教職員共通理解のもと全学年を対象に学校全体で取組を推進していく必要がある。

○ パラリンピックの競技を実際に児童に体験させる場合の用具の準備等難しい面がある。(普段使用しないため,学校の教材備品として備えてない場合が多い)

○ 障害者スポーツを指導するに当たって,講師の選定に非常に苦慮した。パラリンピアンや障害者スポーツの指導者リストがあるともっと充実した活動が展開できると感じた。

(茨城県)つくば市立上郷小学校

(茨城県)つくば市立上郷小学校

【目的・ねらい】

〇ウッドチップが敷かれた新しい校内の持久走コースを試走する中で,自分の健康や体力について深く知ったり,持久走大会に向けて目標タイム設定をしたりする。
〇1~4年までは,オリンピアンからオリンピック精神について,5・6年はキャリア教育の一環として,スポーツに関連した職業について知る。また,オリンピアンが出場した種目の実演をしていただいたり,可能な部分は児童も参加して実際に行ったりしてスポーツに親しむ心の育成を図る。

【実践内容等】

1 校内持久走大会に向けての取り組み
(1)オリンピック選手による講演,実技指導の実施
持久走大会(12/10)の前に,筑波大学弘山勉先生,オリンピック陸上競技代表弘山晴美先生をお招きして,講演及び実技指導を行った(12/1)。
講演では,弘山晴美先生のオリンピック出場までの練習の様子や競技を行う中で学んできたことを話していただいた。
実技指導では,全校児童を対象に腕ふり,走る姿勢などを指導していただき,音楽に合わせて実際に走りながらフォームを身に付けていった。最後にたすきをつなぎながら走ったり,マラソンの給水体験を行ったりもした。

 弘山晴美先生による講演                       弘山 勉先生による実技指導

弘山晴美先生による実技指導                        マラソンの給水体験

児童の感想                              児童の感想

(2)持久走大会に向けての練習,持久走大会の実施
大会前には,体育の授業で弘山先生から指導していただいたことをもとにコースの試走を行い,業間運動で5分間走を実施した。
大会は,学校敷地内に設けられたコースで,1・2年生は1km,3・4年生は1.5km,5・6年生は2kmを走って行った。児童は,事前の試走から各自の目標を設定して走った。他の学年や保護者の応援もある中,一人一人の児童が目標に向かって一生懸命に走ることができた。
1~6位に入った児童には賞状,完走した児童には完走証を授与した。また,4,5,6年生は練習をもとに具体的な目標タイムを出し,そのタイムと5秒差以内だった児童には「ピタリ賞」を授与した。

2 地域のオリンピアンによる講話,実技指導の実施
北京オリンピック柔道代表で,現在筑波大学柔道部監督をされている小野卓志先生による,講話及び実技指導を行った(1/28)。全校児童を,1・2年生と3年生1クラス,3年生1クラスと4~6年生に分けて実施した。内容は,1柔道の紹介,2受け身の指導,3講話の大きく3つに分けて進めた。
小野先生には,スライドや動画を準備していただき,柔道の説明を分かりやすく行っていただいた。また,受け手の方も同行していただいたので,内また,一本背負い等の投げ技を児童の間近で披露していただいた。児童も,豪快に投げている様子や,投げられた後の畳の音をすぐ近くで見たり聞いたりすることができた。
受け身の指導のために,畳約40畳(畳20畳,マット約20畳分)を体育館に用意した。1学年ずつ45人前後の児童が順番に,ゆりかご,腕を左右に開いて畳をたたく,座った状態からの受け身と段階を追って指導していただいた。
最後の講話では,小学校時代の様子,北京オリンピック出場とその後の選手生活についてお話いただいた。成功だけでなく,挫折したことやその時の周囲の励ましの言葉で,また競技を続けることができた話を聞くことで,児童も多くのことを学ぶことができた。


受け身の練習                                  小野先生による講話


内またの実演                                  児童による投げ技の体験


児童の感想                                 児童の感想

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

講師の先生との打ち合わせの時間がうまくとれず,メールや電話で連絡を取り合いながら準備を行った。事前の打ち合わせをスムーズに行える手立てがあると,校内での準備も進めやすい。

(茨城県)河内町立みずほ小学校

(茨城県)河内町立みずほ小学校

【目的・ねらい】

○ パラリンピックの趣旨や競技についての理解を深める。
○ おもてなしの心やボランティア精神を学ぶ
○ 車イステニスの体験を通して,パラリンピックへの興味・関心を高める。

【実践内容等】

本校では,オリンピック・パラリンピック教育を福祉・おもてなしという観点から総合的な学習の時間において以下のように単元を構成し,取り組んだ。

1 指導計画 単元名 「調べよう!パラリンピック」(14時間)

(1)「パラリンピックの趣旨や歴史,競技種目や特徴について調べよう」(4時間)
(2)「肢体に不自由のある人や高齢者の方の気持ちを考えよう」(2時間)車イス体験
(3)「聴覚に障害のある人とコミュニーケーションをとろう」(2時間)手話体験
(4)「おもてなしの心を学ぼう」(2時間)茶道体験
(5)「パラリンピック競技を実際に体験してみよう」(2時間)車イステニス体験
(6)まとめ(2時間)

2 指導の実際(体験活動を中心に)

(1)「肢体に不自由のある人や高齢者の方の気持ちを考えよう」(2時間)車イス体験
① 実施日 平成29年1月20日(金)
② 講師(以下,GT):
ボランティア団体「ひまわりの会」(5名)
③ 主な学習内容
ア 車イスの使い方の説明を聞く
イ 車イス体験をする
ウ 高齢者体験をする


視野を狭めるゴーグル,装具をつけての高齢者体験

(2)「聴覚に障害のある人とコミュニーケーションをとろう」(2時間)手話体験
① 実施日 平成29年1月26日(木) 図書室
② GT:ボランティア団体「たまごっち」「龍聴会」(計11名)
③ 主な学習内容
ア 全員で自己紹介の仕方を学ぶ
イ グループ毎に手話の仕方を学ぶ

(3)「おもてなしの心を学ぼう」(2時間)茶道体験
① 実施日 平成29年1月25日(水) 図書室
② GT:河内町まなびすと3名
③ 主な学習内容
ア 茶道の歴史や茶道の場について話を聞く
イ 茶道の所作についてお手本を見て学ぶ
ウ お茶をいただく側,もてなす側の体験をする


茶道体験の様子

(4)「パラリンピック競技を実際に体験してみよう」(2時間)車イステニス体験
① 実施日 2月9日(木) 体育館
② GT:シドニーパラリンピック車イステニス代表経験者1名,車イステニス競技者1名(大学生)
③ 主な学習内容
ア GTから球出しされたボールを打ち,通常のテニスを体験する。
イ 競技用の車イスにのってみる。
ウ 競技用の車イスにのり,GTから球出しされたボールを打つ。


GTの指導の下,競技用車イスを体験する


競技用の車イスにのり,ボールを打つ。

4 成果等

・車イス・高齢者体験は障害者スポーツの基礎知識として大変有効であった。

・手話を学んだ後,児童は朝の会で手話の1分間スピーチを行うなど手話を使うことへの関心が高まった。また,茶道体験を通して,お客様をもてなすということの意味を理解したようであった。

・(児童のお礼の手紙から抜粋)私は車イスを乗りながらテニスをする大変さが分かりました。それなのにあそこまで速く動けて「努力をたくさん積んできたんだなー。」と思いました。その大変さプラステニスと,難しいことばかりなのに本当にすごいと思いました。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・講師を見つけること。(特に,オリンピック・パラリンピックに出場したことのある選手)東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い競技団体・協会等にも講師要請が増えているとのこと。

・児童に本物に触れる機会をいかにつくるか。

(茨城県)常陸大宮市立大宮中学校

(茨城県)常陸大宮市立大宮中学校

【目的・ねらい】

オリンピック・パラリンピックについて調べたり,競技を体験したりすることにより,オリンピックやパラリンピックへの興味・関心を高めるとともに,生徒が生涯にわたって豊かなスポーツライフを継続するための資質や能力を養う。

【実践内容等】

1 保健体育科の授業における取組(1学年)

(1)オリンピック・パラリンピック学習についてのオリエンテーション

ア オリンピック・パラリンピックについてのアンケートの実施

(ア)アンケート結果

「オリンピックを知っているか?」
①よく知っている 42% ②少し知っている 37%
③あまり知らない 16% ④全く知らない 5%

「パラリンピックを知っているか?」
①よく知っている 18% ②少し知っている 29%
③あまり知らない 37% ④全く知らない 16%

「今年2016年に開催されたオリンピックの都市は?」
①知っている 86% ②知らない 14%

「2020年に開催されるオリンピックの都市は?」
①知っている 92% ②知らない 8%

「オリンピック・パラリンピックの情報は,何で知りましたか?」
・TV  ・インターネット  ・雑誌  ・その他

以上から,オリンピックに比べ,パラリンピックの認知度が低いことが分かった。また,知るきっかけとしては,テレビ放映やインターネットなどによるメディアの影響が大きいことがうかがえた。

イ 保健体育科の授業の中で,オリンピック・パラリンピックの意義や歴史などについての学習を行った。
記憶に新しい2016年リオ オリンピック・パラリンピックだけでなく,今までのオリンピックでの日本選手の活躍やオリンピックマークの意味などをクイズ形式で問いかけたり,オリンピックの歴史や競技種目についての説明をしたりすることで,2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックへの興味や関心を持つことができた。

(2)オリンピック・パラリンピックについての調べ学習
ア オリンピック・パラリンピックに関して,生徒それぞれが自由にテーマを設定し,書籍やパソコン等で調べ学習を行いながら新聞形式でまとめを行った。
〈生徒がまとめた内容の例〉
「オリンピックの歴史」「オリンピックの種目について」
「オリンピックのボランティアについて」
「オリンピック・パラリンピックに参加する国々について」
「パラリンピックの歴史について」 など

 

【生徒のワークシート】

イ 展示発表やクラスによる発表を行い学年全体への醸成を行った。
生徒それぞれが自分のテーマに沿った調べ学習をすることで,分からなかったことを新たに知識として習得したり,新たに疑問をもち調べたりするなど,よりいっそうオリンピック・パラリンピックに対する知識を深めることができた。

(3)視覚障害者マラソン体験
視覚障害者ランナーやガイドランナーの方々に,ゲストティーチャーとして来校していただきマラソン競技に取り組むことになったきっかけや走る目的についての話を聞いたり,生徒自身が実際に視覚障害者ランナーやガイドランナーの立場になって体験をしたりした。

ア 講師の先生よる講話


ブラインドランナー(浅見さん)とガイドランナー(藤田さん)の二人には,マラソンを始めたきっかけや,二人で走るために大切な事など,経験してきた人にしか分からないような話をしていただいた。
特に,二人の間の信頼関係がマラソンを続けるためには必要だという話しに,生徒は耳を傾けながら聞いていた。

イ 視覚障害者マラソンの体験

ウ 生徒の感想

(4)ブラインドサッカー体験
オリンピック・パラリンピックについての競技体験の場を充実させるために1学年保健体育科の授業(球技・ゴール型)において,ブラインドサッカーの体験を行った。

視覚障害者スポーツを体験したことで,障害者の方への理解を深めるとともに,様々な立場の人たちが障害者スポーツに携わっていることや,障害者もスポーツをライフスタイルの一部としていることを感じることができた。また,競技をしたことだけでなく,普段の生活における障害者との関わり方や接し方についても感想を述べている生徒が多く,体験を通して様々な事を学ぶことができた。

2 生徒会によるパラオ共和国との交流(1・2学年)
東京オリンピック・パラリンピックにおけるパラオ選手団の事前キャンプ実施で,パラオ共和国と常陸大宮市が合意し,その視察等のため来日したパラオオリンピック委員会の方々を本校に招待した。武道,書道や箏の授業を見学した上で体験を行ったり,体育館において本校生徒との文化交流会を図ったりした。

上記の写真は全体会の様子の一部であるが,生徒会長による歓迎のスピーチに続いて,パラオ共和国の方から映像を上映し,国の歴史や文化などを紹介していただいた。その後,生徒からの質問がすべて英語で行われ,お互いの国の理解を深めることができた。生徒達は,「日本と友好が深い国なので,これからもっとパラオについて調べてみたい,もっと友好が深まればよいと感じた。」「オリンピック選手を間近で見られる機会なので,常陸大宮市にキャンプ地が決定して欲しい。」などの感想を述べていた。交流会を通して,オリンピックのことだけでなく,異文化に対する興味・関心を高めることができた。

3 クロスカントリー大会への参加(各運動部活動)
体力の保持増進や競技力の向上のみならず,オリンピアンやパラリンピアンの方々とのふれあいを通し,マラソンや将来のオリンピック・パラリンピックへの興味関心を高めることを目的として,常陸大宮市で毎年開催されているクロスカントリー大会への参加を促した。
大会に参加した生徒からは,「上位に入賞してよかった。来年もがんばりたい。」,「常陸大宮市駅伝大会に向けて練習をがんばりたい。」,「オリンピアンの走りを見てきれいなフォームだと思った。とても勉強になった。」など,生徒は大会に参加したことで様々な事を感じることができたようだ。

 

成果
(1)アンケート結果  ※( )内は,事前アンケートとの比較

「オリンピックを知っているか?」
①よく知っている 49%(△7%) ②少し知っている 39%(△2%)
③あまり知らない 12%(▼4%) ④全く知らない 0%(▼5%)

「パラリンピックを知っているか?」
①よく知っている 39%(△21%) ②少し知っている 47%(△18%)
③あまり知らない 16%(▼20%) ④全く知らない 0%(▼16%)

「今年2016年に開催されたオリンピックの都市は?」
①知っている 100%(△14%) ②知らない 0%(▼14%)

「2020年に開催されるオリンピックの都市は?」
①知っている 100%(△8%) ②知らない 0%(▼8%)

(2)オリンピック・パラリンピック教育を終えて
<生徒の感想から>
・オリンピックやパラリンピックのことについてよく分かった。
・オリンピックの競技やルールのことを詳しく知ることができた。
・視覚障害者マラソンやブラインドサッカーを体験することができてよかった。視覚に障害がなくてもみんなが楽しめるようなものだった。
・東京オリンピックには,選手として参加するのは難しいかもしれないけど,ボランティアで参加できれば参加してみたい。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

● 本事業を受けて実践するまでの準備期間が不十分であった。特にゲストティーチャーやオリンピアンなどを招待する場合は,スケジュール調整や金銭面での調整が必要になるため,早い時期での計画が大切である。また,本学習をカリキュラムのどこに位置づけるかなど,学年間の連携や計画をしっかりと立てることが必要である。