(茨城県)日立市立会瀬小学校

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【目的・ねらい】

・パラリンピアンとの交流や体験を通して、夢をもつこと、努力することの大切さを学び、共生社会について考える。

・オリンピック種目の1つを体験することを通して、スポーツすることの楽しさや喜びを味わう。

【実践内容等】

1 講演会(全学年対象)
(「パラリンピアンとのふれあい集会」
ウィルチェアラクビーの三阪洋行さんを講師として招き、障害をもった方々の考え方や生き方、車椅子ラグビーの紹介や実体験をさせていただいた。その中で、「いろいろな違いに出会おう」「『できない』じゃなく『どうすればできる』」「続けることで夢はかなう」のメッセージをいただいた。


<ウィルチェアラグビー体験>             <銅メダルとハイタッチ>

【児童の感想から】
・3つのメッセージを信じていきたい。パラリンピックを見に行きたいし、応援したい。(1年)
・ちょうど3位決定戦をテレビで見た。最後ぎりぎりで日本が点を取り、メダルを獲得したときの迫力と、今日間近でみたタックルは、また違った迫力があった。(4年)
・自分たちと違うところがあっても、ちょっとした工夫で何でもできることが分かり、できないとすぐにあきらめずに頑張ろうと思った。(5年)

2 体育科での取り組み

(1)「オリ・パラ」に関するアンケートの実施(第5学年対象)
本事業を受け、児童がオリンピック・パラリンピックについて、どの程度認識しているかを、アンケート調査した。結果を以下に掲載する。
リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが開催された影響もあり、「オリンピックを知っているか?」という設問に対して、93.1%が「よく知っている」「少し知っている」、「パラリンピックを知っているか?」という問いに対しても、82.7%が「よく知っている」「少し知っている」と答え、認知度の高まりがうかがえる。一方で、競技種目や詳しい内容については認知度に偏りが見られ、メディアで大きく取り上げられる種目以外や、パラリンピックの種目に対する認識が低いことが分かった。2020年東京開催については、100%が「知っている」と答え、「見に行きたい」と答えた割合も、男子で57.6%、女子で42.3%と約5割が興味を示している。しかし、「自分も種目をやってみたい」と答えた割合は、男子9.1%、女子11.5%と低いことが分かった。

(2)第5学年 体育科(単元「タグラグビー(ゴール型ゲーム)」
本校では、第5学年体育科ボール運動領域のゴール型において、オリンピックの新種目である「7人制ラグビー」と関連させて、「タグラグビー」を設定した。まず、導入のオリエンテーションで、「7人制ラグビー」及び「タグラグビー」の実際の競技の様子を映像で視聴させながら、運動の特性やルール等について理解を深めていった。そして、タグの取り方やボールの扱いなどの基本的なスキル、個人の動きから仲間と連携した動きへと発展させ、ゲームへと繋げていった。その中で、トライへと繋げるための作戦や練習を児童同士で話し合いながら行わせることで、状況を判断しながら、仲間と協力してボールをゴールラインまで運ぶという、ラグビーの特性にふれることができた。
また、このことは、体育科学習評価の観点である「思考・判断」に大変参考になったと考える。さらに、体育科における「アクティブ・ラーニング」を考えていく上でも参考になったと考える。
このような学習を受け、未知のスポーツへの意識や興味関心の変容、運動の苦手な児童でも、ボールを持って走る楽しさ、仲間と対話し、協力しながらゲームを進めていく喜びなど、スポーツを楽しもうという心の育成に繋がったと考える。授業後のアンケートを見てみても、「こわい」「危険」「激しい」「ケガをする」などの、ラグビーに対するマイナスイメージが減少し、「楽しい」「おもしろい」「協力が必要」など、競技への見方に変容が見られた。「またやりたいか?」という問いに対しても、「やりたい」「少しやりたい」と答えた割合が100%と意識の高揚が見られた。

〈授業の様子〉

体育科の授業でタグラグビーを実施したことは、オリンピック種目への関心を高めることに繋がった。また、ラグビーの競技特性にふれることで、「友情、連携そしてフェアプレーに基づく相互理解」というオリンピック精神を培いながら、スポーツを楽しむ心の醸成に有効であったと考える。

3 おもてなし講座(第3学年以上対象)
(演題:グローバルマナーとおもてなしの心)
筑波大学客員教授の江上いずみ先生を講師として招き、「おもてなしの心の行き先」や「おもてなしをする表情」、「おもてなしのあいさつである分離礼」、「国際理解教育としての握手のポイント」等について、話をしていただいた。児童は真剣に聞き、その後、それらを実践している児童が増えた。

<おもてなし講座の様子>

【児童の感想から】
・1月31日に乗った、2020年東京オリンピック・パラリンピックへの飛行機を楽しんでいきたい。(3年)
・おもてなしの意味が表も裏もないことだと知ってとても驚いた。(3年)
・江上さんはとても笑顔がすてきだったので私も同じように笑顔で、おもてなしの心で楽しくすごしたい。(4年)
・東京オリンピックでは、たくさんの外国の人が日本に来ると思うので、教えてもらったおもてなしの心を生かし行動していきたい。(5年)
・気遣いや心配りのときの姿勢や表情などの小さなことの大切さがよく分かった。(6年)
・「おもてなしの心」とは、態度や言葉遣いも含まれていて、すべてのことに気を遣っておもてなしをした方が相手も自分もよい気持ちになるのかなと考えるようになった。これからは行動に移していきたい。(6年)

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

●年度途中での計画・実施であったので、年間通して計画的に実施できるよう、関連した内容を行事計画や体育科の学習計画に組み込むなど、綿密な計画が必要。