(茨城県)県立水戸高等特別支援学校
(茨城県)県立水戸高等特別支援学校
【目的・ねらい】
・スポーツに対する興味関心を高め,進んで参加したり,観戦したり,生涯にわたってスポーツに親しむことができる。
・目標をもって取り組むことの大切さが分かり,学校生活への意欲向上や夢への実現に向かって努力する心を育むことができる。
【実践内容等】
1 事前アンケートの実施
(1) 生徒のオリンピック・パラリンピックについて,どの程度認識しているか,また,スポーツを継続的に行ったり観戦しようとしたりする意識調査を行った。
・オリンピックについては,殆どの生徒が言葉を知っていた。
・スポーツの継続や観戦は,約44%で全体の約半数であった。
2 オリンピック・パラリンピックに関する調べ学習
(1) 第3学年と体育委員会で,田山寛豪選手のトライアスロン競技やオリンピック・パラリンピックが開催された国について,書籍やパソコン等で調べて知識習得に励んだ。
また,学校全体の意識を醸成するために,模造紙にまとめて展示発表や朝の集会で発表を行った。
3 オリンピアンとの交流
(1) 全学年で田山選手に関して,紹介VTR等で事前学習を行った。田山選手との交流について質問すると,「とても楽しみです!」という答えが返ってきた。
(2) 田山選手を校内マラソン大会に招き,ランニング講習会や「オリンピアンと走ろう」を実施した。生徒たちは,田山選手が日本代表のユニフォームで登場すると歓声を上げた。走った後は,「一緒に走れて嬉しかった」と笑顔で話していた。
(3) 講演会の実施 テーマ「夢をもつことの大切さ~オリンピックへの道のり~」
ア 夢の実現に向けて努力を続け,オリンピックに出場することができた経緯を,実際の経験談を交えながら直接言葉で聞いたり映像を見たりして講演会を進めた。生徒たちは田山選手の質問に進んで手を挙げて講演会に参加し,「諦めないことが大切です。」と感想を発表していた。
4 生徒の変容の調査
(1) オリンピック・パラリンピックの意識の変容と学習効果についての調査を目的として,事後のアンケート調査を実施した。
ア オリンピック種目の一つであるトライアスロン競技の認知度が約17%上がった。また,田山選手についても約55%の生徒が理解した。2020年の東京大会を観たいという生徒も増え,オリンピック・パラリンピックへの興味関心が高まったと考える。
(2) 長距離走の学習の取り組みの変容を,記録更新の割合で調査した。
ア 第1学年は,タイムトライアルの結果でグループを編成し,各グループで長距離走のトレーニングメニューを話し合い実施した。生徒たちは開始時間に進んで集合し,意欲的な態度が増した。また,約9割の生徒が新記録を達成した。
(実践上の工夫点,留意点等)
(1) 今回の取り組みは,「走る」という運動に焦点化した。スポーツを楽しむきっかけづくりとして,オリンピアンと触れ合う機会を設けた。また,オリンピック・パラリンピックへの興味関心を高めることと,夢への実現に向けた日頃の努力の大切さを学べるように講演会を実施した。
(成果)
○ アンケート調査から,オリンピアンとの触れ合いや講演会をとおして,スポーツへの興味関心が高まり,生涯スポーツとして楽しもうとする生徒が増えた。
○ 夢への実現に向けて,努力することの大切さを知ることができ,体育の授業での態度の変容と,それに伴い長距離走の記録更新としての結果も見ることができた。
【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】
● オリンピック・パラリンピック教育は,行う内容によって生徒の心の変容を見ることができ,今後の学校生活にも良い影響がある。そのため,早急に計画立案を行い,実施に向けて準備をしていく必要がある。