本事業の目的
2020年東京大会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針(平成27年11月27日閣議決定)において、政府は「大会開催を契機に、オリンピック・パラリンピック教育の推進によるスポーツの価値や効果の再認識を通じ、国際的な視野を持って世界の平和に向けて貢献できる人材を育成する」方針を示している。本事業は、この方針の実現に向けて、スポーツ庁の委託を受けた全国中核拠点(筑波大学、日本体育大学、早稲田大学)と地域拠点が連携し、学校や地域一般におけるオリンピック・パラリンピック・ムーブメントを推進することを目的とするものである。
筑波大学は全国中核拠点(Aタイプ)として、主に以下の事業を実施する。
①オリンピック・パラリンピック教育全国中核拠点会議への参画
スポーツ庁および関係団体(内閣官房オリパラ事務局、東京2020組織委員会、東京都教育庁、日本オリンピック委員会、日本パラリンピック委員会、日本財団パラリンピックサポートセンターからなる「オリンピック・パラリンピック教育全国中核拠点会議」に出席し、2020年東京大会に向けたオリンピック・パラリンピック教育の推進方法について情報共有と検討を行う。
同会議で決定された本事業におけるオリンピック・パラリンピック教育における「5つのテーマ」を整理する。
【本事業における「オリンピック・パラリンピック教育」の内容について】
オリンピズムの5つの教育テーマ(努力から得られる喜び、フェアプレー、他者への敬意、卓越性の追求、身体・意志・知性の調和)、パラリンピックの価値(勇気、強い意志、インスピレーション、公平)の普及に向けて、以下のテーマを設定する。
- スポーツ及びオリンピック、パラリンピックの意義や歴史に関する学び
- マナーとおもてなしの心を備えたボランティアの育成
- スポーツを通したインクルーシブな社会 (共生社会) の構築
- 日本の伝統、郷土の文化や世界の文化の理解、多様性を尊重する態度の育成
- スポーツに対する興味・関心の向上、スポーツを楽しむ心の育成
②各地域拠点の推進校におけるオリンピック・パラリンピック教育の支援
全国中核拠点の主要な役割の一つは、地域拠点におけるオリンピック・パラリンピック教育の総合的支援である。まずは、各地域拠点のコーディネーター(担当指導主事等)を対象とした「全国セミナー」を開催し、その後に各地域で行われる「地域セミナー」に参加、とくに情報提供の面で支援を行う。そして、各推進校における教育実践をサポートし、実践報告会としての「地域ワークショップ」に参加する。年度末には、全ての全国中核拠点と地域拠点が一堂に会して成果と課題を共有する「全国ワークショップ」を開催する。
- 全国セミナー
各地域拠点における事業の推進にあたり、そのとりまとめを行う各コーディネーター(主に担当指導主事等)を対象とする事前研修会である。主に、事業の趣旨、オリンピック・パラリンピック教育の理論的枠組みと教材の活用方法、実践事例等の共有を行う。
- 地域セミナー
各学校で実践を行うにあたり、各地域拠点の推進校教員及び教育事務所担当者を対象とする事前研修会である。実践に向けて、本事業の概要、各教材の使用方法、実践事例等の共有を行う。
- 全国ワークショップ
各地域拠点のコーディネーター等を対象とする事後研修会(報告会)である。各地域拠点における事業成果と課題を共有し、次年度以降の効果的なオリンピック・パラリンピック教育の推進に向けた議論を行う。
- 地域ワークショップ
推進校教員を対象とする事後研修会(報告会)である。各推進校でのオリンピック・パラリンピック教育の実践後、教員間で成果や課題等の共有を行う。
- 市民フォーラム(平成28年度まで)
一般市民を対象とするフォーラムである。各地域拠点の特徴的なオリンピック・パラリンピック教育実践の紹介、オリンピアンやパラリンピアン等による講演、実際のオリンピック・パラリンピック競技種目の体験等を行う。
推進体制
次に、令和元年度の事業推進体制について、次頁に整理する。
R1推進体制図