(京都府)府立宇治支援学校
(京都府)府立宇治支援学校
【目的・ねらい】
オリンピック・パラリンピックの価値
友情( ○ ) 卓越( ) 尊重( ○ ) 勇気( ) 決断力( ) 平等( ) 鼓舞( )
高等学校と特別支援学校高等部、両校生徒によるソフトボール競技の交流をとおして相互理解・尊重する資質や能力を身につける。
【実践内容等】
京都府立莵道高等学校ソフトボール部と本校高等部球技部とが競技の交流をとおして相互理解・尊重する資質や能力を身につけることを目的に、部活動交流を行った。
12月10日(土)に、顔合わせ会として、宇治支援学校球技部のキャプテン、副キャプテンが莵道高等学校を訪問して練習の見学と顔合わせをし、宇治支援学校の部活動の様子やメンバーについて紹介をした。また、練習の様子をビデオで撮影し、学校に持ち帰って今回訪問していない部員に練習の様子などを伝えた。
1月28日(土)は合同練習会を行った。開会式の後、準備運動、練習、交流試合、閉会式を行い交流した。
(実践上の工夫点、留意点等)
1 交流前の相互理解
実施に向け、生徒同士の事前対面を行い、両校の交流への期待を高めた。
2 実施内容
(1)特別支援学校生徒の障害特性や競技能力をもとに実施可能な活動内容を検討した。
(2)開会式、閉会式の司会進行や、練習の進行を両校生徒で行った。また、両校生徒でペアを作りキャッチボールや守備練習に共に取り組み、互いに声を掛け合えるようにした。練習試合では混合チームを編成するなど両校生徒が打ち解けやすい雰囲気作りに留意した。
3 安全面
障害特性や競技・運動能力等特別支援学校生徒の実態、安全上の配慮事項等について高等学校指導者との情報共有に努めた。
4 荒天時対応
荒天により屋外での活動ができない場合を想定し、屋内での活動内容も準備した。
5 広報
報道機関に対してオリンピック・パラリンピック教育の推進について積極的な広報依頼を行った。また、報道の際、生徒肖像使用における制限等について報道機関に留意事項として伝えた。
(成果)
1 友情と尊重
昨年度に続いて2回目の交流ということもあり、期待感をもって参加した生徒が多く、最初からなごやかな雰囲気であった。準備運動、守備練習、交流試合へと時間が経つと共に交流は深まり、真剣さの中にも笑顔があふれる交流となった。
一つのスポーツを通して「対等な立場」で交流を共に楽しむと同時に、本校生徒に対して自然に配慮する高校生徒の姿が見られるなど、意識の変化が見られた。閉会式の生徒感想の言葉の中にも「来年もやりたい」の声を両校生徒から聞くことができた。また、後日莵道高等学校生徒から「支援学校の生徒さんとの時間が最高だった」「楽しくて笑いが絶えなかった」という声もあった。
日頃かかわる機会の少ない同世代の高等学校、特別支援学校高等部生徒が、障害の有無に関係なくソフトボール競技をとおして「相手の良さ」を知り「互いを思いやり、尊重し合う」など、他者理解や相手を尊重する態度が随所に見られ、本事業の目標は概ね達成できたと考える。
2 共生社会の形成に向けて
両校生徒で同一校区内の同じ地域に住む生徒も多く、今回のソフトボールでの交流をとおして「障害の有無」を超えて互いに人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える共生社会の形成に向けて理解を進めることができた。
【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】
1 相互理解のために
指導者間の事前打ち合わせにおいて安全面や両校生徒の教育的ニーズを指導者間で共有したことや、生徒の事前対面の場を設定したことにより、生徒間での相互理解の促進を図ることができた。さらに交流を深めるために、事前取組の内容や回数等、工夫が必要である。
2 継続的な実施に向けて
たいへん有意義な取り組みで、次年度以降も継続したい。暖かい時期の実施や、より交流の深まる内容など、来年度早期から実施に向けた検討を進める必要がある。