(宮城県)利府町立利府中学校
(宮城県)利府町立利府中学校
利府中学校 ①
【目的・ねらい】
中学校の教育課程において,オリンピック・パラリンピックに関連付けた運動及び文化的な活動を中学生に体験させることを通して,国内開催のオリンピックの士気高揚に資する。
【実践内容等】
(1)実施内容:体育大職員によるスポーツストレッチや体幹トレーニングについての講話や実技講習を受ける。
(2)期待する効果:生徒にスポーツやオリンピックに対する知識を持たせ体験させるとともに,4年後に国内で開催する東京オリンピックの意識を高揚させる。
【保健体育:関心・意欲・態度,知識・理解】
(3)実施内容の具体
実施日:平成29年1月27日(金) 5・6校時 (1:10~3:10)
場所:利府町立利府中学校体育館
対象生徒:1年生(161名)・2年生(138名)(他 学年担当職員)
講師:白坂 広子(しらさか ひろこ) 氏 (女性)(仙台大学職員)
(西フロリダ州立大学卒業,オーガスタ州立大学院修了,日本国内プロバスケリーグチーム専任アスレティックトレーナー,現仙台大学新助手:宮城県在住)
講義内容:体の動き(理論)と体幹トレーニング(実践)について 他
実施内容:講義及び実技演習
実施協力:仙台大学(事業戦略室 室長 西塚 重良)
(実施内容の続き)
(講義する白坂講師)
(プレゼンの説明)
(実技演習する生徒)
(指導補助の仙台大学の学生)
(実践上の工夫点、留意点等)
・単なる講義にならないよう,パワーポイントによる映像(動画)等を活用しながら中学生にも分かりやすく説明を行った後,実際に体幹トレーニングを生徒に行わせることにより,これからの体育の授業や部活動における各種活動時に取り入れることを目的の一つとして,事前に協力部局及び講演者と連携を密に行った。
・運動の基礎理論とトレーニングの重要性を講義による知識・理解とオリンピック選手にもつながる演習での体験により,目標や目的をもって地道な努力を重ねることが自分を成長させることにつながるものである,といった趣旨の講義演習になるよう事前に講演者と打ち合わせた。
(成果)
・パワーポイント等を活用した講義により,視覚的にも分かりやすい内容であった。また,オリンピック選手のトレーニング等にも触れた内容であり,オリンピックを身近に感じることができた。
・講師自身の体験や失敗談などを交えての説明により,世界の一線での競技経験のある各種選手にも苦労があり,努力が必要であることを強く感じさせることができた。
・講義後は,参加した生徒の多くが,楽しかった・自分の体の動きを改めて知ることができた・部活動に取り入れたい等の感想が寄せられ,これからの学校体育における運動の楽しさにつなげることができた。
・体育大の学生による補助があり,体を動かすことに苦手意識をもつ生徒も安心して実技演習に取り組むことができた。
【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】
・教育課程を編成する上で,授業時間として講演等を設定するにあたり,学校及び学年で設定している教科等の時間との整合をどのように図っていくか(事前・事中・事後)。
・単に講演を実施するだけでなく,オリンピックムーブメント(オリンピックへの社会的運動)に対する手立ての構築と継続的実践の在り方について,生徒及び家庭,地域の関心・意欲をどのように高め,周知させていくための望ましい在り方をどのように継続実施していくべきか。
利府中学校 ②
【目的・ねらい】
中学校の教育課程において,オリンピック・パラリンピックに関連付けた運動及び文化的な活動を中学生に体験させることを通して,国内開催のオリンピックの士気高揚に資する。
【実践内容等】
(実施内容) ※適宜、様子を示す写真、図表、記録を含めてください。
(1)実施内容:文化部(美術部・社会部)が協力し,2020東京オリンピックのPRにつながる応援ポスターを作成し,校内に掲示し,オリンピック・パラリンピック・ムーブメントの意識高揚につなげる。
(2)期待する効果:オリンピック・パラリンピックムーブメントに貢献できるポスター等を生徒のアイディアで作成し,掲示等を行うことで,来るオリンピックへの士気高揚を味わわせる。【部活動:教育課程との関連・関係機関との連携】
(3)実施内容の具体
実施期間:平成28年10月~平成29年2月
場所:利府町立利府中学校
対象生徒:社会部(文化部)・美術部(文化部)
活動内容:デザインを美術部が制作・精選し,社会部がコンピューター処理によるポスターに仕上げる。作成したポスターは校内でパネル展示を行った。制作した作品はその後,校内に常設展示とし,オリ・パラムーブメントに活用する。
(実践上の工夫点、留意点等)
・文化部同士の協働作業を取り入れながら,外部機関との連携を図った。部活動等においては,各部単位による活動が主なものとなるが,異なる部活動が同じテーマで考えたアイディアをリレーし,一つの作品をつくりあげることで相互にかかわり合う意識の醸成につながると考えた。
・町役場等の外部機関と連携を図ることで,生徒の作品等が地域に公開され,それが生徒の活動の外的動機付けにつながると考えた。
(成果)
・スポーツ以外の視点からもオリンピックムーブメントに対する関心・意欲が高まった。前年度はタウンマップ作成のため,実際に役場に出向き役場職員による学習会を開催したり,休日の部活動時間帯には顧問とともに町を実際に歩き,観光客の視点で自分の町を見直したりしながらマップを作成した。このことが今年度の活動に生かされ,部活動間のアイディア交換がスムーズであった。一度作成した作品を客観的に検討し,よりよい作品づくりをしようとする意欲の向上につながった。
・相手意識を持ちながら,自ら進んで課題に取り組み,成果に結びつける意欲が高まった。アイディアの精選にあたっては,美術部の視点が役にたった。作成したポスターをさらに見る者の視点で考え直し,目を引くポスターにしたことは,生徒の創意工夫と着眼点を養うことにもつながった。
【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】
・部活動等にオリンピックムーブメントを設定するにあたり,教育課程の編成上,文化部等における活動範囲をどこまで設定していくか。
・部活動等を通して,オリンピックムーブメント(オリンピックへの社会的運動)に対する手立ての構築と継続的実践の在り方について,生徒及び家庭,地域の関心・意欲をどのように高めていくべきか。(一過性の活動にしない手立てとして)
・制作物がある場合,その財源確保をどのようにしていくか。(当初計画のものが途中で変更になったり,予定以上の予算がかかったりすることがあるため)
利府中学校 ③
【目的・ねらい】
中学校の教育課程において,オリンピック・パラリンピックに関連付けた運動及び文化的な活動を中学生に体験させることを通して,国内開催のオリンピックの士気高揚に資する。
【実践内容等】
(1)実施内容:外国語の学習の一環として,来日する外国からの観光客等へ各国の言葉(中・韓・英語 等)に触れるとともに,異文化理解の視点から様々な情報を獲得する。
(2)期待する効果:英語を含む各国の外国語に触れることで,実際の場面で生きてはたらく言葉の学習に役立たせる。
【外国語(英語):関心・意欲・態度,表現の能力】
【国際理解教育:関心・意欲・態度】
(3)実施内容の具体
実施日:平成29年1月25日(水) 6校時 (2:10~3:10)
場所:利府町立利府中学校図書館
対象生徒:2学年生徒(138名)
授業者:MIA(宮城県国際化協会)登録者(韓国・中国・アメリカ)
授業内容:各国の文化等の紹介・各国の言語によるあいさつ,自己紹介(名前・所属・場所の名称等),簡単な語彙の学習,質疑応答 他
実施内容:講演・演習
実施協力:MIA(宮城県国際化協会)
(中国語) 【中国語の発音練習】
(韓国語) 【韓国語の発音練習】
(英語(ハワイ語)) 【アメリカ(ハワイ)の紹介】
(表現練習 ) 【韓国語での表現練習】
(実践上の工夫点、留意点等)
・単調な外国語の練習にならないように,事前に授業者と十分な打ち合わせを行い,それぞれの自国の文化や伝統,習慣等の紹介を生徒との対話形式で行うことにより,授業者の母国への関心・意欲を高めさせた。また,三か国ともオリンピック開催国であるので,それぞれの国でのオリンピックについても簡単な紹介・説明を行うことで,オリンピックへの関心を高めさせるようにした。
・表現練習においては,クイズ形式や英語・日本語との併記による練習を行うことで,飽きずに学ばせるよう配慮した。
(成果)
・英語以外の言語や文化,習慣等に親しみ,国際理解に対する関心が高まった。中学生にとって,中国・韓国は知られた国々であるが,それぞれの国の出身者に直接触れる機会はほとんどなかった。そのため,生徒は新鮮な感覚で授業者の説明や話を聞き,各国のことばの練習に意欲的に取り組んだ。授業終了後も覚えたことばを発話するなど,異文化理解につながった。何より,前年度も講師としてお世話になったMIAに協力をいただいたことで生徒の親しみの度合いが高まった。
・2008年開催国の中国(北京),2018年冬季オリンピック開催国の韓国(平昌)を含む三か国から協会登録者を派遣してもらうことができたため,オリンピック及び開催国への親近感が高まった。
・授業者であるMIA(宮城県国際化協会)のスタッフからは,今後も生徒とかかわりをもち,オリンピック開催まで定期的に異文化理解学習や言語学習をしていきたいという意見があがった。
・今回の授業をはじめ,オリンピックも人とのかかわりが大切であることに気付かせることで,周囲の人やものと積極的にかかわろうとする意識の高まりがみられるようになった。
【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】
・教育課程を編成する上で,こうした授業等を設定するにあたり,学校及び学年で設定している教科等の時間との整合をどのように図っていくか(事前・事中・事後)。
・外部講師による授業実践等を通して,オリンピックムーブメント(オリンピックへの社会的運動)に対する手立ての構築と継続的実践の在り方について,生徒及び家庭,地域の関心・意欲をどのように高めていくべきか。
利府中学校 ④
【目的・ねらい】
中学校の教育課程において,オリンピック・パラリンピックに関連付けた運動及び文化的な活動を中学生に体験させることを通して,国内開催のオリンピックの士気高揚に資する。
【実践内容等】
(1)実施内容:保健体育の授業や運動部活動の指導において,活動中の動きを生徒自身に即時的且つ客観的に提示できるようにする。それにより,指示や説明だけでなく生徒が自分でイメージしている運動と自身の運動記録との差異を認識させることでよりよい運動に取り組む意欲の向上につなげる。
(2)期待する効果:自らの運動状態をリアルタイムで映像等により振り返らせることで,客観的に見つめさせたり専門的知識及び技能を習得した経験者とともに運動部活動を体験させたりすることで,運動の楽しさやチームワークの大切さを学び,体力及び技能の習得に役立たせることにつながる効果が期待できる。
【保健体育:関心・意欲・態度,運動に関する知識・理解】
【部活動:スポーツ等に親しみ,好ましい人間関係の形成・関係機関との連携】
(3)実施内容の具体
実施期間:平成28年10月~平成29年2月
実施時間:部活動時間帯(含 休日活動,練習試合,大会参加含む)
場所:利府町立利府中学校体育館及び校庭
対象生徒:運動部所属生徒
実施協力:仙台大学(事業戦略室 学生支援センター)
(リアルタイムでの確認)
(戦術面の確認)
(講演時における動きの支援)
(実践上の工夫点、留意点等)
・できるだけ時間を空けずに生徒に確認させ,自身の運動を客観的にとらえさせるようにした。
・部活動支援においては,単に運動状態を確認するだけでなく,集団スポーツの意義から,チームワークを高める視点での支援を中心に行った。そのため,ゲーム等の記録(映像)を示しながら個々の動きのバランス(コーディネーション)について選手相互に考えさせる場を多く設定した。
・本事業における仙台大学講師による講演(実技講習)でも,支援学生の協力により動画撮影と生徒への提示を行い,参加意識を高めさせるとともに運動状態をその都度確認させるようにした。
(成果)
・スポーツを通して体力と技能の向上に目的意識をもって取り組む姿勢が高まった。各運動目標に向け選手一人一人に適したトレーニングを行わせることで,生き生きとした部活動の継続につながった。
・自分の部活動に対する所属意識の高揚とチームワークの必要性への理解が高まった。学習指導要領における部活動の意義を踏まえ,なぜ部活動があるのか,部活動において何を目的・目標として取り組むべきか,そのためにはどのように取り組めばよいのかを,一つ一つていねいに支援することで,さらに真摯な姿勢で部活動に取り組む姿勢の向上につながった。
・本事業の講座で使用し,講師の話も重ねることで,自己の改善点を見つけ克服するために努力を続けることが,周囲の期待を一身に背負い努力を続けなければならないオリンピック選手の立場や気持ちを理解させることにつながった。
【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】
・タブレット等の使用は効果が高いことが実証されたが,恒常的に使用するための汎用化を職員に周知させるためにはどのように伝講していくべきか。
・部活動支援を実施する上で,体育大学をはじめ,地元の各大学に対し,教員を志望する学生を継続的に要請するためには今後どのように手立てを講じていくべきか。(協力要請の在り方,支援活動における援助費(交通費等の支給),安全対策(保険加入の予算化)等)