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(宮城県)国立大学法人宮教大附属幼稚園

(宮城県)国立大学法人宮教大附属幼稚園

【目的・ねらい】

「遊び力」をはぐくむための環境構成とその援助のありかたについて実践を通して明らかにする
体の機能を十分に使って遊び,身のこなしなどを体得して,自ら体を動かすことが楽しいと感じながら遊ぶ力を「遊び力」と呼ぶ。この「遊び力」を高めるために,私たちの幼稚園では,「きもち」「体のうごき」の視点からアプローチして行くこととした。

(1)本園の実態把握 遊びの様子と運動能力や運動量の関係を探る。
・3歳児 25M走の測定
・4歳児 25M走の測定,ボール投げの測定
・5歳児 25M走の測定,ボール投げの測定,活動量計を用いての計測
※別紙参照

(2)子どもたちの遊びから「遊び力」をはぐくむための活動を検討する
・遊びを「きもち」「体のうごき」の視点に分けて捉える。
・環境構成や援助の在り方について考える。

(3)夢中になって体を動かして遊ぶための実践事例をまとめる ※別紙参照

【実践内容等】

1 好きな遊びの様子から
右の写真は,夏前のどろんこ遊び・穴掘り遊びの延長上で,年長児が園庭一面に川を作っている場面である。体幹を使ってバランスを取りながら,金属スコップを使って,掘り進め「あそこまでつなげよう」「水をもってきて」などと言いながら,友達と共通の目的をもって取り組んでいた。掘る,運ぶ,押す,流す動きに加え,道具を使うために動きを連動させるなど,体全体をダイナミックに動かして遊ぶことができた。思いっきり遊んだあとには,幼児たちの満足げな表情がうかがえた。
夢中になって遊び,楽しんだ経験は,次への遊びへと広がり,つながっていく。一つの場面は短い時間でも,長期的に繰り返し楽しむことができるのは,夢中になっているからではないかと考えた。幼児たちは,遊びの発展に即した環境作りや,教師の見通しをもった援助,友達同士のかかわりや刺激し合うことを支えとして,夢中になって遊ぶ経験を重ねていくことができた。
私たちは,この夢中になって遊ぶ姿の中で,体を動かして遊ぶ活動についてより深く考え「体を動かすことって楽しい」と感じ,達成感を得て,自ら進んで体を動かす遊びができる幼児の育成を目指してきた。
そこで,私たちは,まず,幼児自身が遊びを楽しいと感じ,満足感や充実感を得ながら友達と共同して遊びを発展させていくための,環境構成を行ってきた。幼児が自らかかわり自ら選んだ遊びの中で,より体を動かして遊ぶことができるような援助を行うことを通して,見えてきたものは,遊びのもとである「きもちを高める」ということだった。体を動かす環境が整っていても,幼児がもっとやりたいと意欲がもてないと,遊びを継続することは難しく,また,体を十分に使って遊ぶための発達段階を考えた援助が重要であることも実感した。さらに,身のこなしなどを体得することで,遊びが発展したことも明らかになった。

2 園行事から
園行事として「餅つきの会」を行った。我が国に古来から伝わる伝統調理法である杵と臼を使った餅つきを体験し,米から餅への変化を楽しむとともに,餅を食べる体験を行った。3歳児はうさぎ杵を使って,4歳児・5歳児は重さが違っても大人が使った物と同じ形での杵を使って餅をついた。杵を持ち上げたときに,バランスをとるのが難しかったようだった。初めて体験する幼児も少なくなく,貴重な経験となったと思う。様々な経験を通して,一人一人の幼児が,体を動かしながら心の中に何か芽生えてくるものを得たのではないかと考える。餅をつくときも餅を食べるときも,保護者の協力のもと,楽しく進めることができた。

(実践上の工夫点、留意点等)
・幼児がより体を動かして楽しく遊ぶことができる環境作りについて工夫してきた。
・季節の行事など,幼児がより多くの体験ができるように工夫してきた。

(成果)
「遊び力」が高まっている子どもたちから見えてきたキーワード
・安心感・心の開放
幼稚園生活に対して安心感をもって行動していることが感じられた。
・イメージの共有
友達とイメージを共有して様々な遊びを行う傾向があることが見えてきた。
・自分からコミュニケーションを図る
自分から「まぜて」と言えるなど,友達とかかわる力があるように感じた。
・意欲・集中力
遊びに対しての意欲や集中力があり一つの遊びを継続して取り組む姿が多く見られた。
・目的意識
活動量が多いからといって遊びの内容が充実しているとは言い切れない。活動量よりも目的意識をもった遊びの質を大事にしなければならない。
・興味・気付きの追求
様々な材料を使って試したり考えたりして友達と追及し,何度も挑戦しながら得た気付きを教え合うことから,遊びに夢中になることが見えてきた。
・工夫・遊びへの愛着
遊びがより楽しくなるためにはどうしたらよいのか,幼児自身が考えることが必要である。自分たちで考え決めたことは幼児自身が大事にして,楽しむことができるということがわかった。

見えてきたキーワードは,すべて子どもの「きもち」にかかわるものである。本研究から,子どもの遊び,行動,動きなど,その行為の根拠となる内面を探ることが重要であることが明らかになった。これらのことを見据えて教師が,どのように援助をしていくとよいのかを次年度以降の研究で,明確にしていきたい。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・さらに幼児が体を動かすことが楽しいと感じる環境を工夫して作っていくこと
・保護者に対して,幼児期に体を動かすことの重要さについての理解を啓発すること

(宮城県)丸森町立丸森小学校

(宮城県)丸森町立丸森小学校

丸森小学校 ①

【目的・ねらい】

・パラリンピックや障害スポーツを通して障害への理解・関心を高める。
・ブラインドサッカー,ロービジョンフットサル競技を体験する。

【実践内容等】

(実施内容)
・ブラインドサッカー,ロービジョンサッカーについて話を聞く。
・ブラインドサッカー,ロービジョンサッカーの競技を体験する。

1 全体会(開会行事)
競技についてロービジョンフットサル日本代表監督から3年生から6年生までに説明していただいた。
3年生から6年生129名 視覚障害者がプレーする5人制のブラインドサッカーと,弱視の人が行うロービジョンフットサル競技について体験した。

2 体験教室
ブランドサッカーは,目の見えない人がプレーするスポーツであること。ロービジョンフットサルは,少し見える人がプレーするスポーツであることを教えていただいた。
またボールの音や周りの声を聞きながらプレーし,ゴールの裏にいる監督からの指示でプレイすることもほとんどの児童は初めて知ることができた。

(実施内容の続き)
【体験教室の流れ】(60分)
・アイマスクの配布
・片足10秒立ち
・2人組で体操(一人はアイマスク着用)
・ボール配布(一人1個)・ルールの説明
・ボールタッチ(見える,見えない状態)
・2人組 → パス交換(手→足)
・5人組でのミニゴールへのシュート練習。

(実践上の工夫点、留意点等)
・体験教室の講師をロービジョンフットサル日本代表監督にお願いした。本校の保護者であり,身近な方からの指導で児童は興味をもって取り組ませる。
・障害者種目であるロービジョンフットサル競技について知ってから体験活動させる。
・体験教室は,学年毎に実施することでリラックスした雰囲気で活動に取り組ませる。

(成果)
・障害者スポーツについて講師からの説明を聞き,競技への関心をもつことができた。
・障害のあるなしにかかわらず楽しく取り組むことができた。
・オリンピック,パラリンピックに関する書籍で調べる児童もいた。

(体験教室後の児童感想より)
・アイマスクをつけて見えないことの大変さが分かった。
・見えなくて怖かったけど,楽しかった。障がい者のためにいろいろと工夫されているところが分かった。
・ボールにもいろいろな工夫がされ,障害があっても楽しめるスポーツだと思った。最初はよく見えなくて怖かったけれどおもしろかった。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・年度途中からの取組だったので,計画立案に時間がかかってしまった。
・概要が大まかで,どのような取組がオリンピック・パラリンピックムーブメントにつながるのかを検討するのに時間がかかってしまった。
・障害者スポーツに関する講師を決めるのが大変であった。
・学校で行われている様々な教育活動といかにリンクさせていくのか検討が大事である。

 

 

丸森小学校 ②

【目的・ねらい】

・オリンピック・パラリンピックコーナーを設置し,興味をもたせる。
・廊下掲示コーナーにパラリンピックについてのパネルを掲示し,児童の意識を高める。

【実践内容等】

・オリンピック・パラリンピックコーナーを作成し,国旗カルタオリンピックマーク,関連書籍などを常設することで児童に関心をもたせる。

・朝会での校長講話を聞くことでオリンピック・パラリンピックに興味関心をもたせる。

1 朝会での校長講話「リオオリンピックでの日本選手の活躍『結束する力(チーム)』
第二学期始業式に全校児童へ画像を見せながら講話として話があった。様々な種目における日本人選手の活躍についての説明であった。朝会後には,校長室前の廊下掲示板に講話資料が掲示され児童の目にふれるような場が設置された。

2 オリンピック・パラリンピックコーナー
<1階オープンスペース>

(実践上の工夫点、留意点等)
・オリンピック・パラリンピックコーナーを設置することで児童に興味関心をもたせる。
・1階多目的オープンスペースに国旗カルタ、書籍などを置き,気軽に読んだり調べたりできるような場をつくる。

(成果)
・縦割り活動で「国旗カルタ」取りを行い,様々な国について関心をもつことができた。
・オリパラコーナーに設置したオリンピックマークを見て開催国について関心をもつ児童もいた。
・校長講話後に掲示された資料に興味をもって読んでいる児童もいた。

(児童感想より)
・いろいろなオリンピックマークがあっておもしろい。
・2020年に東京オリンピックが行われるのが楽しみになってきた。
・東京オリンピックは,前に行われたのは,知らなかった。
・いろいろな国でオリンピックは開催されてきているんだ。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・オリンピック・パラリンピックムーブメント推進事業としてどのようなことを実践すればいいのか分からなかった。
・学校で行われている様々な教育活動といかにリンクさせていくのかが大事である。

(宮城県)亘理町立高屋小学校

(宮城県)亘理町立高屋小学校

【目的・ねらい】

・障害のある方々との交流を通して,差別や偏見をもたない「共生の心」の涵養を図る。
・車椅子バスケットボールプレーヤーとの交流を通して,障害者スポーツに関心をもたせる。
・パラリンピックに出場した監督等の話を伺い,オリンピックやパラリンピックへの関心を高める。

【実践内容等】

1 各学年の主な実践内容等
1)1年 手話教室(2時間),障害者スポーツ体験(2時間)
2)2年 手話教室(1時間),障害者スポーツ体験(2時間)
3)3年 車椅子体験(2時間),白杖体験(2時間),障害者スポーツ体験(2時間)
4)4年 手話・指文字体験教室(4時間),障害者スポーツ体験(2時間)
5)5・6年  盲導犬体験教室(2時間),障害者スポーツ体験(2時間)

2 障害者スポーツ体験:車椅子バスケットボールチーム「宮城MAX」との交流会
1) 対面式
・校長あいさつ(代理:教頭),・講師紹介(宮城MAX 岩佐監督)
2) 車椅子での日常生活についての説明・実演等
・段差のある場所での車椅子の操作等の実演や説明
3) 車椅子バスケットボールについての説明
・車椅子バスケットボールのルールについて
・リオパラリンピックでの車椅子バスケットボールチームの活動や成績等について
・選手の努力や苦労・喜び,今後の目標について
・選手によるデモンストレーション(シュートやパス,車椅子の激しい衝突場面など)
4) バスケットボール用車椅子乗車体験等(指導:岩佐監督,椎名代表)
・乗車及び走行 ・走行からパスを受けてのシュート

(実施内容の続き)
5) 宮城MAXの選手とのミニゲーム
・4年生対1名の選手  ・5年生対1名の選手 ・6年生対1名の選手 ・職員対選手
・1~3学年は見学
6) 質問タイム
・車椅子バスケットボールを始めたきっかけや始めて変わったこと
・これからの夢など,たくさんの質問が出ました。
7) 閉会式
・お礼のあいさつ(6年代表児童)  ・記念写真撮影

(実践上の工夫点,留意点等)
1 体験を通して学ぶことを重視し,社会福祉協議会の方,町などボランティアの方,視覚や聴覚などに障害のある方等にお越しいただいて,体験したり話を聞いたりして学びを深めている。
2 実際に選手の動きを見る場面や児童が体験できる場面を取り入れ,障害のある方々の大変さ,全日本やパラリンピックに出場する選手のすごさを実感できるようにした。
3 選手の努力や向上心に関わる話等を入れてもらうようにお願いし,児童に障害に負けない心や障害のある人もない人も共に助け合って生きられる社会を作ろうとする意識をもてるようにした。

(成果)
1 各学年の実践から
1)本校児童は,障害のある方などを「変な人」などという偏見をもった目で見ることがない。「みんな同じ『人間』」という意識・気持ちが育っていると感じられる。
2)体験を通すことで,障害のある方の苦労や努力を実感するとともに前向きに頑張っているみなさんからよい刺激を受ける学習機会になっている。

2 児童の宮城MAXへの「お礼の手紙」や「勉強になったことの記録」から(原文から抜粋)
1) 車椅子に選手たちが乗って,すごく速くてすごかったです。(1年)
2) ちょっとした段差を上れない人がいたら助けてあげたいです。(2年)
3) いっぱい練習しないとこんなすごいことはできないんだと,ぼくは思いました。(3年)
4) これからも,今日習ったことをスポーツに生かしていきたいです。(4年)
5) 2020年の東京パラリンピックで,日本がメダルをとれるように願っています。(5年)
6) 「不便だけど不幸ではない」という言葉を聞いて,障害のある人のことを差別したりへんなふうに見たりすることは,障害のある人にとっていやなことだから,障害のある人を見てもいやなふうに見ないで普通に接したいと思いました。(6年)
以上のようなことから,ねらいが達成できたよい交流会になったと思われる。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

1 今年はリオオリンピック・パラリンピックがあったので選手や監督等,来ていただきたい方々が忙しすぎて大変だったと思いました。早く実施校を決めて伝えていただけるといいと思います。

2 オリンピック・パラリンピック教育に関する学校としての指導計画を整えるのが,実践までの時間的なことなども含めて難しいと感じました。1の実施校を早く決めることに関連して年間指導計画を実施前年度に作成できるように進められるとよいと思いました。

(宮城県)大崎市立古三小学校

(宮城県)大崎市立古三小学校

【目的・ねらい】

○ 本校では,これまでにも地域の伝統文化について調べたり,体験したり,福祉体験等を通して障害者福祉,老人福祉について学ぶ活動を行ってきている。地域の伝統文化や地域の人々との関わりを大切にしながら学ぶことで,地域を愛する心を育んできた。また,全校児童が福祉体験教室を体験し,障害についての理解を深め,他者を思いやる心を育んできた。本実践を通して,日本,地域の伝統文化を深めること,障害者理解,障害者スポーツの理解を深めることを目的とする。

○ 本実践により,地域の伝統文化や人々の生き方から学び,自分の思いや考えを表現し,よりよい生き方を探るとともに,それを実践していく児童の育成を目指す。

【実践内容等】

1 実施学年 第3学年 (男子58名・女子65名・計123名)
【テーマ】: Ⅳ 日本文化と異文化・国際理解
【種類】:総合的な学習の時間

◇ 単元名「古川大好き」
(1) 小単元名:古川まつりを調べよう
古川地域の伝統文化「古川まつり」「大名行列」等について調べる活動を行った。古川まつりに関しては,実際に七夕飾りを作成し展示を行った。また,古川まつりに関して古川商工会議所から講師を招き,まつりの歴史や内容について説明をしていただいた。

(2) 小単元名: 古川のじまんをまとめよう
古川まつりに参加している「古川太鼓」の団体を招き,和太鼓についてのお話を聞き,その後に質問に答えていただき,和太鼓について理解を深めた。また,和太鼓演奏の体験を行い,地域の伝統文化について理解を深めた。(日本伝統文化理解)

2 実施学年 第4学年 (男子56名・女子57名・計113名)
【テーマ】: Ⅱ おもてなし精神とボランティア
【種類】:総合的な学習の時間

◇ 単元名「三小夢色市場」
(1) 小単元名:商品を作ろう
八百屋市見学で体験したことを振り返り,夢色市場に向けてどんな商品を作るか,また,オリンピックやパラリンピック,世界の国々の国旗に関連した商品作りを考え,グループごとに作成した。

(2)  小単元名:市場を開こう
夢色市場の商品作り,ポスター作り,保護者や3年生に向けての招待状作り,夢色市場の準備を行い,体育館において学習参観日に夢色市場を開いた。4年生の保護者,職員は実際に購入し,3年生児童は,引換券で買い物体験を実施した。
また,実際の売上金でサッカーボールを購入し,各学級に配付した。

3 実施学年 第5学年 (男子51名・女子50名・計101名)
【テーマ】: Ⅲ パラリンピックと障害者スポーツ
【種類】:総合的な学習の時間

◇ 単元名「地域の中の自分」
(1) 小単元名:福祉について調べよう
障害,障害者,障害者スポーツ,パラリンピックについて,インターネット,図書室の書籍等を使い調べ,障害者理解を深めた。また,グループで調べたことを壁新聞形式にまとめ発表会を行った。

(2)  小単元名:地域の施設を訪問しよう
社会福祉協議会職員を講師に福祉体験(老人福祉)学習を実施した。足,腰の不自由さや耳の聞こえ方,目の見え方等の不自由さを体験する学習を行った。また,訪問前に「認知症」についての講話をしていただいた。
地域内にある老人福祉施設(ディサービスセンター)を訪問した。介護士や職員の方から施設の説明を受け,施設内を見学させていただいた。特殊入浴装置体験,リフトカー,車椅子等の体験活動もさせていただいた。また,施設を利用している高齢者の方々と一緒に体操,ゲーム,折り紙,歌を歌う等の交流を行った。

4 実施学年 第6学年 (男子56名・女子63名・計119名)
【テーマ】: Ⅱ おもてなし精神とボランティア
【種類】:総合的な学習の時間

◇ 単元名「きらり すてき 発見」
(1) 小単元名:仕事を実際に体験しよう(一日職場体験)
大崎市古川地区の24事業所に一日職場体験を依頼し,実際の仕事を体験した。どの職場でも共通している働くことの大切さについて考えた。
活動のまとめの発表会を開いた。

(2) 小単元名「おもてなし講座」
児童に異文化理解やマナー向上をねらいとして「おもてなしの心」をテーマにした講演を実施した。講師は,江上いずみ 氏(筑波大学客員教授),演題は,「おもてなしの心と異文化理解~2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて~」として講演を聞き,日本文化の良いところやマナーについて,具体的な事例をもとに説明され,児童は理解を深め,おもてなしの心,日本人としての誇りと自覚を高めることができた。

5 実施学年 全校児童 (男子366名・女子350名・計716名)
【テーマ】: Ⅲ パラリンピックと障害者スポーツ
【種類】:生活科,総合的な学習の時間

◇「福祉体験教室」
(1)  1,2年「障害の体験」生活科
利き手と反対の手で着替えをしたり,ぬり絵や文字を書いたりした。また,目隠しをして友達に手を引いてもらって歩く体験を学級ごとに実施した。

(2) 3年「盲導犬とのふれあい教室」総合的な学習の時間
盲導犬協会の職員の方,盲導犬を連れた視覚障害者の方に来ていただき,盲導犬とのふれあい教室を実施した。視覚障害者の方と盲導犬の関係や日常生活,盲導犬の仕事や子どもたちが盲導犬と出会った時にしてはいけないことなどを学んだ。

(3) 4年「手話体験」総合的な学習の時間
耳が聞こえない人の生活や手話について手話ボランティアの方から教えていただいた。簡単なあいさつや短い単語など実際に体験した。手話で伝えることの難しさや大変さを学ぶことができた。

(4) 5年「点字体験」総合的な学習の時間
点字ボランティアの方に来ていただき,実際に点字に触れて学んだ。「点字を読んでみよう」の資料をもとに点字についての説明を受け,50音表,学校名,十二支の点字を読む活動を行った。

(5) 6年「車椅子・白杖体験」総合的な学習の時間
社会福祉協議会職員が講師となり,2人ペアになって白杖を使って,階段を昇り降りしたり,障害物にぶつからないように歩いたり,補助したりした。車椅子体験では,平らなところだけでなく,段差があるところやマットの上などを移動し,大変な思いをしながら生活していることを実感できた。

6 実施学年 全校児童 (男子366名・女子350名・計716名)
【テーマ】: Ⅰ オリンピズムの教育的価値
【種類】:オリンピック・パラリンピック関係の掲示,
第2学期始業式,校長よりオリンピックのお話

◇「オリンピック・パラリンピック関係の掲示」
校長室前廊下に,リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでの日本人の活躍や本校での取組を掲示し,意識の高揚を図ってきた。また,夏休み中に行われたリオデジャネイロオリンピックでの日本人の活躍から元気とやる気をもらったこと,これから始まるパラリンピックについてお話をした。

(実践上の工夫点、留意点等)
1 伝統文化への理解の深まり
3年生の古川大好きの活動では,古川まつりの七夕飾りの作成と展示,古川まつりに関しての講話,和太鼓の体験活動等,実際に体験活動を通して地域の伝統文化について理解を深められるように活動を設定した。

2 オリンピック,パラリンピックへの関心の高まり
夢色市場に向けて,オリンピックやパラリンピック,世界の国々の国旗について関心がもてるように事前に学習し,子どもたちの発想を生かした関連商品作りができるように工夫をした。

3 パラリンピック,高齢者福祉への関心の高まり
福祉体験活動をきっかけに,障害者スポーツについて調べる活動を行った。テレビのパラリンピック放送を話題にして関心を高められるようにした。グループごとに壁新聞形式でまとめられるよう書籍やインターネット資料を準備した。

4 おもてなし精神とボランティアの関心の高まり
おもてなし講座の学習をもとに,実際の職場体験で接客マナーや事業所への挨拶について,失礼のないように事前指導を行った。

5 福祉体験活動
全学年が通過方式で障害者理解の体験活動を行っている。6年間で様々な障害について,時間は短いが理解できるように配慮している。また,障害者理解とパラリンピックとの関連が理解できるように事前事後の活動を工夫している。

6 「オリンピック・パラリンピック関係の掲示」
リオデジャネイロオリンピック,パラリンピックの日本人選手の活躍や本校での取組を紹介することによって,自分たちが行っている活動とつながっていることを理解できるように努めた。

(成果)
1 伝統文化への理解の深まり
3年生の古川大好きの活動では,古川まつりに七夕飾りを作成,出展や和太鼓の体験活動等,実際の体験活動を通して実感を伴った地域の伝統文化について理解を深めることができた。発表会でも充実した総合の発表会を行うことができた。

2 オリンピック,パラリンピックへの関心の高まり
夢色市場の活動を通して児童の感想から,国旗に関連した商品を作成したことで,オリンピック,パラリンピックに出場している国々の名前,国旗について興味関心の高まりが見られた。

3 パラリンピックへの関心の高まり
障害者理解,パラリンピックについて関心の高まりが見られた。高齢者福祉についても見学交流を通して関心,理解に深まりが見られた。

4 おもてなし精神とボランティアの関心の高まり
おもてなし講座から,児童はおもてなしの心,日本人としての誇りと自覚について理解の深まりや関心の高まりが見られた。また,実際の職場体験でも学習したことを実践することができた。

5 福祉体験による障害者福祉への理解の深まり
全学年が通過方式により障害者理解の活動を行っている。児童の体験活動後の感想からも障害者の大変さ,努力のすごさ,生活の工夫,実際に障害者と出会った場合の対応,声掛けの仕方など理解に深まりが見られた。

6 オリンピック・パラリンピックへの関心の高まり
夏休みのリオデジャネイロオリンピック,2学期のパラリンピックの日本人選手の活躍等を掲示することによって,オリンピック・パラリンピックへの関心が高まり,活動の関連性にも関心をもつきっかけとなった。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

オリンピック・パラリンピック教育を効果的に進めるためには,年度当初に年間の計画をしっかり立てる必要があると考える。今年度は取組のスタートが2学期になってしまい,見通しをもって推進できなかった。推進リーダーの選出,校内推進委員会等の組織作りが必要であると考える。

(宮城県)栗原市立築館小学校

(宮城県)栗原市立築館小学校

【目的・ねらい】

○ 異文化交流を通して,自他の文化を理解させる。
○ オリンピック・パラリンピックの知識・理解を深めさせる。
○ 体力向上へ向け,長縄跳びや陸上,水泳競技に取り組ませる。
○ いろいろな運動に取り組ませ,機会があれば大会等へ参加させる。

【実践内容等】

(実施内容)
〇 体力向上と各種スポーツへの参加
・  体力向上を主なねらいとして,年間を通して放課後に陸上教室(主に5,6年)や相撲教室(1~6年)を行ってきました。陸上教室では,4月に計測した100m走の結果から一人一人が目標を設定し,2月に行われる記録会へ向け取り組ませてきました。その結果が以下の通りです。
4月の平均タイム 2月の平均タイム
5年 18.7秒 → 18.1秒
6年 18.2秒 → 17.5秒

・web長縄跳び大会に1~6年,全学級が取り組みました。廊下に,各学級の最高記録と宮城県内でのランキングを掲示することで,児童の意欲付けを工夫しました。

・「校内持久走記録会」を新規に立ち上げ,学区内にある陸上競技場(公認トラック)で開催しました。本番までの約3週間は,業間マラソンの時間を設定し取り組ませました。公認トラックを走ることは,児童にとって貴重な経験となりました。

・  本校では,陸上競技大会(6月開催),水泳大会(7月開催),相撲大会(5月から10月開催)などの大会へ参加しています。どの大会も児童が積極的に練習に参加し,一生懸命取り組みました。
(相撲クラブは,全国大会や東北大会で活躍)

〇 オリンピック出場選手との交流とオリンピック関連の本の紹介
・  リオデジャネイロオリンピックさくらジャパン(女子ホッケーチーム)の三橋亜記選手が,本校の卒業生ということで,オリンピックでの活躍を期待して,全校で激励会を行いました。

・  オリンピック・パラリンピック関連の本を紹介するコーナーを廊下に設置し,誰もが手軽に本を読めるようにしました。

○ ミクロネシア連邦の方々との交流会(6月実施)
・ ミクロネシア連邦から約30名の方が来校し,ミクロネシアに伝わる踊りを見たり,日本の習字を教えたりと,他国の文化に触れるとともに,日本の文化を再認識することができました。

(実践上の工夫点、留意点等)
・ 持久走記録会では,学年部で同じ距離に設定(例 5・6年は1500m)することにより,「来年はこのぐらいのタイムを目指そう」など,児童が目標を持ちやすいようにしました。
・ 陸上競技大会・水泳大会・相撲大会への参加については,学年間の関わりも意識して取り組んでいます。

(成果)
・ 持久走記録会では,体力が向上したほか,「自信が付いた」「やればできると思った」など,精神面で成長できたとの感想が児童からたくさん集まりました。また,保護者からも,「意欲的に運動に取り組む良い機会」「粘り強さが身に付いた」との声が寄せられました。
・ 陸上競技大会や相撲大会で活躍した児童は,学習に意欲的に取り組んだり,礼儀正しく生活したりと,普段の生活にも良い影響が見られるようになりました。
・ 言葉の違うミクロネシアの方々と交流した経験から,言語以外のコミュニケーションの大切さを学び,自分の思いを一生懸命伝えようとする姿が見られました。また,世界で活躍するトップアスリートと出会うことで,視野を広げ,向上心を持って活動する様子が見られました。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・ 持久走記録会など,全校を通した取組では,時数の確保が課題となりました。少ない時数で効率的に指導するにはどうしたらよいか,今後も検討していく必要があります。

・ 取組への意欲には個人差があり,陸上競技大会や水泳大会に参加しない児童への手立てが必要であると考えられます。持久走記録会でも,意欲を維持する手立てや声掛けの仕方を考えていく必要があります。

(宮城県)石巻市立貞山小学校

(宮城県)石巻市立貞山小学校

貞山小学校 ①

【目的・ねらい】

車椅子バスケットボールチームの選手の方々の話を聞いたり、実際に車椅子に乗ってゲームを行うことで、障害者スポーツを知り、パラリンピックについて関心をもつ。
障害者への心配りや共生の大切さについて知る。

【実践内容等】

(実施内容)
1 岩佐ヘッドコーチから車椅子バスケットの特別ルールなどについて説明してをいただき、実際にシュートなどを見せていただく。
・通常のバスケットボールと、ルールはほとんど変わらない。ゴールの高さも同じである。障害にの程度によってチームメンバーの構成が変わってくる。

2 児童が車椅子に乗り,車椅子バスケットを体験する。
・実際に車椅子バスケットを体験することより、車椅子とバスケットボールの両方をうまく扱うことの難しさを、実感じることができた。

3 児童が質問をして,選手から答えていただく。車椅子での生活について話を聞いたりする。

4 感想を書き、自分の思いをまとめる。
・私は車椅子バスケが初めてだったので少し「ドキドキ」「ワクワク」していました。けれど岩佐ヘッドコーチ・本田選手・菅原選手の皆さんが優しくていねいに教えてくれたので、試合が楽しくできました。これからもがんばってください。応援しています。
・バスケ専用車イスは普通の車イスよりもこぐのが大変でした。バスケゴールも遠くて入れにくかったです。でも、宮城MAXの皆さんはとてもすごかったです。
・実際に車イスに乗り、本田選手とぼくたちでゲームをしたことが一番楽しかったです。人数も多く、体に合わない車椅子だったのに、手加減をしてくれても本田選手に勝つことができませんでした。宮城MAXを応援していきます。
・ぼくはサッカーをしていて足がパンパンなりますが、今日は腕がパンパンになりました。
・車椅子の人が高いところにいくとき、高い場所にほしい物があるとき手伝いたいと思いました。

(成果)
・一般のバスケットボールと、車椅子バスケットのルールの違いに興味を示していた。
・障害の度合いで差が出ないようなルールを知ったり,車椅子バスケットの独特のボールの扱い方を見たりすることができた。
・障害があっても(運動する能力に違いがあっても)工夫すれば、ゲームをすることができることを感じることができた。
・障害をもった方ともスポーツを通して楽しめることを知り,パラスポーツへの興味を深めることができた。
・車椅子の方への接し方について理解を深めることができた。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・カリキュラムマネジメント(教育課程への位置づけ・年間指導計画への位置付け)
学校教育目標を実現するため、オリンピック・パラリンピック教育の位置づけをどう捉え、教育課程を編成し、計画・実施・評価していくかをさらに考えていかなければならない。
・一定予算の確保
オリンピック・パラリンピック教育を実施するに当たって、取り組みを継続させるための予算の確保。
・オリパラ教育実施校指定の継続
1年限りではなく、複数年指定を受け、継続的な指導を行うことで教育的な価値を積み上げることができる。

 

 

貞山小学校 ②

【目的・ねらい】

○小さな苗からパンジーを育て,学校や地域の公共施設,石巻市総合運動公園を花で飾る活動を通し,おもてなしやボランティアの精神を身に付けさせる。

○石巻市総合運動公園の聖火台を花で飾る活動や,総合運動公園の職員から2020年東京大会の復興五輪としての意義についての話を聞く活動を通し,オリ・パラへの関心を高め,オリ・パラに関わり,支えようとする態度を育てる。

【実践内容等】

1 宮城県農産園芸課及び地域の花栽培農家と協働し,パンジーの苗を育てる。
*移植,施肥,灌水,切戻しなどの作業を行う。
*石巻市のどのような場所を花で飾るかを児童に考えさせ,計画を立てさせる。

2 プランターに貼り付けるシールを作成する。
*自分たちの思いを写真と言葉で表現させる。

3 学校の花壇,JR陸前山下駅を花で飾ったり,地域の独居老人宅に花を届けたりする。
*民生委員や町内会役員,NPO法人TEDICと協働して実施する。

4 石巻市総合運動公園へバスで赴き,展示されている1964年東京オリンピックの聖火台の周りにプランターを置いて飾る。

5 石巻市総合運動公園の職員から,聖火台や2020年東京五輪の復興五輪としての意義についての話を聞く。
*東北の地にいても,オリ・パラを支える力になれることを伝える。
*2020年東京五輪への関心を高める。

(実践上の工夫点、留意点等)
・協働教育の観点から地域と連携し,活動を充実させる。

・校内のオリ・パラ掲示コーナー等でも復興五輪に関する情報を児童に伝え,その意義を意識して活動できるように環境を整える。

・実際に聖火台を管理したり,五輪競技キャンプ地の誘致活動を行っている市職員の方々の話を聞かせ,その思いにふれさせたりすることで,2020年東京オリ・パラへの関心と理解を深めさせる。

(成果)
○ 実際に聖火台が展示してある石巻市総合運動公園にバスで赴き,自分たちが育てた花で聖火台を飾ることで,自分たちも東京五輪を支える力になれることを実感させることができた。

○ 聖火台を管理したり,五輪競技キャンプ地の誘致活動を行っている市職員の方々の話を聞かせたりすることで,2020年東京五輪の意義について理解を深めながら,自分たちの活動に満足感を味わわせることができた。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

● 石巻総合運動公園が学区外にあるため,日常的に花の世話をすることが難しいため,市の職員にお願いしている。継続的な活動にするため,再度訪れ,世話をする機会を設けるとさらによい活動になると思われる。

 

 

貞山小学校 ③

【目的・ねらい】

実際に馬頭琴の演奏を聞かせたり,モンゴルの文化や生活についての話を聞かせたりすることで,他国の文化のすばらしさを味わわせると共に,日本の文化のよさを見つめ,互いの文化を尊重しようとする態度を育てる。

【実践内容等】

1 パーテーションの後ろから馬頭琴の音を響かせ,どんな楽器か予想させる。
*前時までに学習した「打楽器・弦楽器・管楽器」のどれに分類できるか考えさせる。
*音楽室にある「世界の楽器に親しもう」の掲示を手掛かりにさせる。

2 馬頭琴演奏グループ「モリトン・モンゴル」が登場し,演奏を聴かせたり,モンゴルの文化や生
活についての話を聞かせたりする。
*モンゴルの位置だけなく,自然や街並み,食生活,家庭での様子,学校生活についても話をしていただく。
*モンゴルの文化と馬の関係について,詳しく話をしていただく。

3 ホーミーを聴かせ,モンゴルの独特の音楽文化を味わわせる。その後,ホーミーや馬頭琴の演奏を体験する。
*モンゴルの民謡だけでなく,日本の曲も演奏していただき,自国の文化を大切にすると共に他国の文化を尊重する大切さを味わわせる。

4 馬頭琴とリコーダーの合奏を行う。
*馬頭琴奏者と共に演奏する喜びと楽しさを味わわせる。

5 学習感想を書き,交流する。
*互いの国の文化を尊重し合う大切さについて,記述してある学習感想を書いている児童を意図的に指名し,発表させる。

(実践上の工夫点、留意点等)
○ゲストティーチャーとして、モンゴルの馬頭琴奏者を招き、演奏を聴かせたり、モンゴルの生活や文化について話を聞かせたりする活動を取り入れる。

○導入段階で、馬頭琴の音当てクイズを行い、児童の関心を高める。まとめの段階で、馬頭琴やその楽器が生まれた背景について感想を書く時間を設ける。

(成果)
○ 民族衣装を着てゲストティーチャーが登場することで,児童の興味・関心を高めることができた。また,馬頭琴の音の響きを,視覚を含め体全体で感じながら鑑賞させることができた。

○ モンゴルの生活や文化,日本との関係などについて,パワーポイントで多くの写真を提示しながら話をしていただくことで,より深く理解させることができた。

○ 音当てクイズでは,これまでに学習してきた世界の楽器を,掲示物を活用しながら想起させることで,「弦楽器・管楽器・打楽器」のグループ分けを行わせることができた。

○ 馬頭琴の演奏を聴き,「草原を走る様子」を想像したことや,演奏を聴いたことについて感想を書かせることで,他国の文化への理解を深めさせることができた。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

● より効果的に授業を行うために,授業者のねらいとゲストティーチャーの意図にずれがないように,綿密な打合せが必要である。活動ごとの時間配分や取り上げる内容の吟味,リハーサルのもち方などついて,ゲストティーチャーとの連絡調整を効果的に行っていけるよう工夫していきたい。

(宮城県)気仙沼市立松岩小学校

(宮城県)気仙沼市立松岩小学校

【目的・ねらい】

○ 本校は,東日本大震災の大きな被害を受けた地域にあり,将来への夢をもち,力を合わせて地域づくりを進めていくことができる児童を育成することが,学校,保護者,地域の願いである。
本事業において,スポーツがもつ可能性に気付かせながら,将来への夢をもつとともに,共生の精神をもちながら地域をつくっていこうとする心を育てる取組を行う。

【期待する効果】
○ オリンピック・パラリンピックに興味をもち,スポーツのよさに気付くとともに,運動技能を向上させる。

○ 夢をもって努力することが,自分自身の人生を豊かなものにすることに気付き,将来への夢をもつようになる。

○ 障害がある方々の生き方への共感がうまれ,地域の皆が等しく生き甲斐を求めて生きていく社会の実現に向けて考えるようになる。

【実践内容等】

(実施内容)
Ⅰ スポーツの基礎的技能の向上
1 水泳技能向上学習(夏季休業中の水泳教室開催と体育の時間の学習)
(1)「松小サマースイミング教室」対象:1~6年児童の希望者
オリンピック種目である水泳に興味をもたせるために,夏季休業前にオリンピックの水泳について担任から話をした。さらに,夏季休業中には,オリンピアンの水泳のコーチである一木成之先生や一木先生と関係のある方々の指導による「松小サマースイミング教室」を開催した。

(2)「めざせ!スイミー」対象:1,2年児童
低学年児童に,もっと泳げるようになりたいという気持ちを高めるために,指導の方法を工夫した。「めざせ!スイミー」というテーマで,「長く水に潜ること」「できるだけ遠くまで進むこと」を目標に設定させ,体育の時間の学習において,水泳技能の向上を目指した練習に取り組ませた。

2 投てき技能向上学習(体育の時間の学習並びに休み時間) 対象:3~6年児童
(1)「スローイングフォームを身に付けよう」
オリンピック・パラリンピック種目である陸上(投てき)や各種ボールスポーツの基本となる「投げる」動作の基本を身に付けさせるために,校庭にスローイングロープを設置し,自由練習に取り組ませた。
また,室内でも投げることが可能な用具を使い,体育館において,休み時間や体育の時間に正しい投げ方が身に付くように投げる練習をさせた。

Ⅱ パラリンピックと障害者スポーツについて理解を深める講演とスポーツ体験
1 パラリンピックと障害者スポーツについて知り,スポーツの魅力に気付く
(1)「パラリンピックを知ろう」対象:1~6年
パラリンピアンを取材した「はばたけ新聞」(朝日小学生新聞)を活用し,パラリンピックについて知らせるとともに,パラリンピアンの記事から,障害者の生き方やスポーツの魅力について考えさせ,スポーツが人生を豊かにするものの一つになることや夢をもって努力することの素晴らしさなどに気付かせた。また,オリンピック・パラリンピックに関係する本を図書室等に置き,学級活動で活用したり,児童が自由に読んだりできるようにした。

(2)「車いすバスケットボール講座」対象:1~6年児童
車いすバスケットボールチーム「宮城MAX」の岩佐ヘッドコーチと菅原選手,三浦選手に来校していただいた。岩佐ヘッドコーチから,パラリンピックと障害者スポーツについて話していただき,障害がある人たちも健常者と同じようにスポーツを楽しみ,意欲的に活動していることを伝えていただいた。

また,菅原,三浦両選手には,車いすバスケットボールのデモンストレーションをしてもらうとともに,4,5年生の児童には,競技用車イスによるバスケットボールの体験もさせていただいた。二人の選手から,人間の可能性の大きさを感じさせてもらうとともに,努力して困難を克服しながら人生を豊かに生きることについて学ばせていただいた。


車いすでも体育館へと移動できるように,6年児童とともに設置した簡易スロープ

(実施内容の続き)
Ⅲ 福祉施設訪問・交流活動
1 幼児や障害のある方,高齢者等との交流から思いやりの心を育てる
(1)「みんないっしょに」対象:2年児童
第2学年の生活科「地域を知ろう」の学習で,地域内にあるいろいろな施設を見付ける活動を行った。その学習の中で特別支援学校の存在に気付かせ,自分たちと同じ年齢の子供たちが学習していることを知らせ,交流したいという気持ちを高めた。そして,実際に支援学校の児童と交流する活動を取り入れ,障害のある児童と接することにより,障害の有無に関わらず,誰とでも楽しく過ごすことができることを実感させた。

(2)「福祉の心を学ぼう」対象:6年児童
高齢者施設,保育所,特別支援学校などを訪問し,施設で働く人の様子や話から,福祉とは何かを考えさせた。その上で,施設にいる人たちとの交流活動を児童に考えさせ,実際の交流活動を行った。このような活動を通して,障害者や高齢者,乳幼児などの様々な立場の人に対する理解を深め,誰にとっても暮らしやすい環境がある地域について考えさせた。

Ⅳ 学年(学級)を単位としたスポーツ競技会の開催
1 自分たちができる種目で大会をし,「スポーツをする・応援する」楽しさを味わわせる
(1)「学年(学級)オリンピック」対象:2~6年児童
スポーツの魅力である「目標に向かって努力する素晴らしさ」「スポーツをすること,みんなで応援することの楽しさ」などを味わわせるために,学年に応じたスポーツ種目を考え「学年(学級)オリンピック」と題して競技会を行った。
各学級(学年)内で4チームを作り,目標をもって練習したり,互いに競い合う楽しさを味わわせたりするために,大会本番まで各自あるいはチーム毎に練習ができるようにした。
そして,投てき(ジャベボール投げ),サッカー,ロープジャンプなどを種目とする競技会を行った。


(実践上の工夫点、留意点等)
○ できるだけ全学年の児童を対象として行う。
○ 地域の人との交流を大切にする。
○ 実際に体を動かして活動する場面を多くする。
○ 既存の学校教育活動に本事業の趣旨を加味して行うよう工夫する。

(成果)
1 オリンピック・パラリンピックへの興味・関心の高まり
アンケートでは,4~6年生の76パーセントの児童が,2020東京オリンピック・パラリンピックに関心があると回答した。特に,車いすバスケットボールチームの選手と直接交流しながら体験した4年生と5年生は「興味がある」が91%と高かったのに対し,交流が少なかった6年生は,「興味がある」が53%であった。直接交流することによりオリンピック・パラリンピックへの関心が高くなったと言える。また,実施後の意識調査では,実施前に比べ興味が高まったと回答した児童が全体の7割近くに達した。

2 スポーツをすること,応援することへの意識の高まり
4~6年生の85%の児童が,スポーツをすることが好きだと回答した。また,スポーツをみることや応援することが好きだと回答した児童は82%であった。さらに,実施後の意識調査でも,全体の6割以上の児童が,以前よりも,スポーツをすることに加え,観ることや応援することに興味をもち,好むようになったと回答している。また,児童の感想などから障害者スポーツの魅力に気付く児童も増え,障害の有無に関わらずスポーツは楽しいものであるという意識が芽生えてきている。

3 夢をもつことができる児童の増加
「叶えたい夢があるか」という設問について,87%の児童があると回答した。また,実施後の意識調査でも,全体の7割以上の児童が以前よりも叶えたい夢をもつようになったと回答した。パラリンピアンを特集した新聞を活用した授業後の感想に,「自分にはできないと思いこんでいたことがあるが,パラリンピアンの方のように,まず努力を積み重ねることが大事だと思った。夢をしっかりともちたい。」という児童のことばがあった。

4 障害者の理解と障害者スポーツへの関心の向上
児童の感想に「私は,障害者はできることが少ないと思ったのですが,車いすバスケットをやっていた二人はとても前向きでネガティブにならない人たちでした。障害のある人は大変だけど,その分かっこよくて楽しいことも見付けられることが分かりました。」と記されていた。アンケートでは,「からだの不自由な人やお年寄りの方も,楽しめることがたくさんあると思うようになった。」と回答した児童が6割以上であり,多くの児童の認識が,障害をもつ人は大変だというだけのものから,用具や道具を利用すれば,健常者と同じように様々なことに挑戦したり楽しんだりできることや,スポーツを一緒に楽しむことができるというものに変わった。

5 協力して成し遂げることへの意識の向上
高齢者福祉施設や支援学校等との交流活動を行った6年生は,様々な人と交流することやグループで相手の立場に立った活動を考えて実践することを通して,協力して活動することや誰かの役に立つことへの意識が高まった。アンケートでは,「だれかのために役立ちたいと思いますか」について,6年児童の85%がそう思うと回答し,「協力することが大切だと思いますか」については96%が思うと回答した。さらに,「目標を達成するために,いろいろな人と協力することができますか」について,89%ができると回答した。このように,体験や交流により,協力して物事を成し遂げることへの意識が高まった。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

1 オリンピック・パラリンピック教育を行うための教材
指定校1校だけでなく,地域でオリンピック・パラリンピック教育の推進を行うために,地域内で共有できる教材(図書やDVD)が教育委員会等に備わり,リスト化して貸出しができるようになるとよい。

2 オリンピック・パラリンピックの魅力を伝える人材を派遣するシステムの構築
本年度の取組から,オリンピアンやパラリンピアンなどと直接交流することが有効であることが分かった。しかし,人材を依頼するにあたり,どこに問い合わせたらよいのか,どのように交渉すればよいのかに戸惑った。協力していただけるオリンピアンやパラリンピアンの方を地域ごとにリスト化し,窓口を作ることによって,依頼がしやすくなり,より効果的な活動が進むと思われる。

(宮城県)仙台市立原町小学校

(宮城県)仙台市立原町小学校

原町小学校 ①

【目的・ねらい】

・トップアスリートとの出会い,交流からオリンピック・パラリンピックに興味関心を持たせる。
・元女子100メートルハードル日本記録保持者から走り方の基本を学び,自ら運動に親しむ児童を育てる。
・トップアスリートの指導を校内持久走大会への意欲につなげ,児童が自らが主体的に取り組む学校行事とする。

【実践内容等】

1年生から5年生まで学年毎に,元女子100メートルハードル日本記録保持者の大朝尚子さんから走り方やハードルの基本を学んだ。大朝さんからはオリンピックを逃した悔しさやその後の努力についても話していただき,児童は目標を持つことの大切さも学ぶことができた。
走り方の学習では直線コースを使い,スタートの仕方や走りのコツ,高学年にはハードルの跳び方を分かりやすく伝えていただいた。どの学年の児童も生き生きとした表情で楽しく運動に取り組んでいた。
また,オリンピック出場を目指し日々努力したこと,しかし,わずか0.03秒足りずにオリンピック出場を逃したこと,悔しい思いをしたがそれが今の自分につながっていることなども話していただき,児童は真剣に耳を傾けていた。

 

(実践上の工夫点、留意点等)
・学年毎の実施とし,児童の実態に合わせた指導を行った。
・指導の内容を実際の教育活動に生かすため,校内持久走大会の1週間前に出前授業を計画した。
・トップアスリートの指導を通してスポーツの持つ魅力に触れさせ,自ら運動に親しむ児童を育成するよう学年の実態に応じて事前,事後の指導にも配慮した。

(成果)
・トップアスリートから直接指導を受けたり,話を聞くことができたりしたことはスポーツや運動に対する子供たちの興味関心を高め,事後に実施した校内持久走大会に向け意欲的に取り組む結果となった。

・努力しても願いが叶わないことがあること,それでもあきらめずに次の目標に向かって取り組むことが大事であることを児童に実感させることができた。

・トップアスリートによる指導は体育の授業づくりの上で大いに参考になった。教師の指導力向上,授業の質の向上につながった。

【児童の感想から】
・走ることはあまり得意ではないけど,今日教えてもらったことをいっぱい練習します。
・大朝さんにスタートの仕方を教えてもらいました。上手にスタートできるようにしたいです。
・オリンピックに出れなくても次の目標に向けて頑張るのがすごいと思いました。
・大朝さんに教えてもらったので,持久走大会では10位以内を目指して頑張りたいです。
・ハードルの跳び方が分かった。来年の陸上記録会で生かしたい。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・オリンピック・パラリンピック・ムーブメント推進校としてどのような取組をしていけば良いのか手探りで進めてきた。年度当初にもう少ししっかりした計画を立てるべきだった。

・実際に取り組んでみると,これまで行ってきた教育活動とリンクできる部分が多いと感じる。
オリンピック・パラリンピック教育の視点から見直した全体計画が必要だと思う。

・トップアスリートによる授業を実施する場合の予算確保は大きな課題である。また,オリンピアンやパラリンピアンに関する情報が学校では乏しい。

 

 

原町小学校 ②

【目的・ねらい】

・オリンピアンによる出前授業を通してオリンピック・パラリンピックに興味関心を持たせる。

・元体操オリンピック出場選手である田中光さんによる体操教室を通してスポーツに関心を持ち自ら進んで運動に親しむ児童を育てる。

・体操教室で学んだことを体育学習に取り入れるとともに,授業以外の体育活動を充実させ児童の体力向上につなげる。

・オリンピック選手の話を聞くことにより,東京オリンピック・パラリンピックに関心を持ち,自分ができることを考えさせる。

【実践内容等】

2年生児童全員が,元オリンピック選手の田中光さんから,楽しく体を動かす体操の仕方や跳び箱運動の基本・こつを楽しく学んだ。講話では考えて行動することの大切さ,体をたくさん動かしたり,何かに挑戦したりする楽しさなどについて話していただいた。
跳び箱運動の準備として行ったのは,田中さん自らが考案したというリズム体操。フロアに並んだ75人の児童は,ステージ上で軽やか,かつ,リズミカルに動く田中さんを見ながら,一生懸命にその動きをまねした。準備運動とはいうものの,屈伸をしたりジャンプをしたりと体全体を使うので運動量が大きい。
10曲以上のリズム曲に合わせて休みなく繰り返し行ったのでどの児童もたくさん汗をかき,体を動かす楽しさを実感した。

跳び箱では,跳び越すというより,跳び箱を跳ぶリズム習得を指導していただいた。跳び箱は高低差を付けず,どのグループも3段で統一。踏み切りのタイミング,手の付き方,体の投げ出し方などを繰り返し練習した。児童は軽やかに跳び越したいという願いを持って,生き生きとした表情で喜んで取り組んでいた。
マット運動の模範では,連続前転,倒立前転,開脚後転などの大技を披露していただいた。児童は目の前で見る美しい技に驚いただけでなく,いつか自分もやってみたいという挑戦意欲も高めることができた。

(実践上の工夫点、留意点等)
・運動の楽しさや喜びを,より一層味わわせて中学年につなげたいと考え,2年生を対象とした。

・苦手意識が多い跳び箱運動の基本とこつをつかめるような内容とした。

・トップアスリートの指導を通じて,スポーツの持つ魅力に触れさせるとともに,楽しくできる運動の仕方を学び,自ら運動に親しむ児童を育成するよう,リズム体操をたくさん取り入れた。

(成果)
・トップアスリートから学ぶことは大きい。田中さんは児童に「今日は考える力を学習する」とめあてを伝え,何度も「考えて行動してみよう」と声掛けをしていた。ただ体を動かすのではなく,田中さんと同じように動くためにはどうしたら良いのかと,考えて手を上げたり足をキックしたりする児童だった。今も田中さんの「考えて」という言葉が生きている。その後の体育でもふと立ち止まって考えたり,自己のプレーを振り返ってやり直したりする児童を見掛けた。

・けがをしてオリンピックに出場できなかったが,諦めずに努力してアトランタオリンピックに出場した経験から児童に語り掛ける言葉の効果が大きい。「諦めないで」「考えてやってみよう」など,温かい励ましの声が児童に響いた。多くの子供に,自ら体を動かそうという気持ちになったり,力一杯運動することができたりしたと実感させることができた。

【児童の感想】
・リズム体操はすごく楽しかった。全部できたからうれしいです。
・体操が全部できた。すごく頑張りました。
・田中さんはすごい。自分もできるようにいっぱい練習します。
・跳び箱はこわくないと思った。高い段を跳び越したいです。
・諦めないで頑張って,いろいろな運動に挑戦したいです。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・オリンピック・パラリンピック・ムーブメント推進校としてどのような取組をしていけば良いのか手探りで進めてきた。年度当初にもう少ししっかりした計画を立てるべきだった。

・本実践は株式会社デサント主催の授業に応募して実現したが,トップアスリートによる授業を実施。

 

 

原町小学校 ③

【目的・ねらい】

・一人一人がお互いに個性を認め合い,協力してより良く生きようとする態度を育てる。
・自国のことを知り,他国の文化や伝統を理解しようとする態度を育てる。
・自分の考えをしっかり持ち,相手に伝えるコミュニケーション能力を育てる。

【実践内容等】

・イタリアの国旗や食べ物,生活の様子,学校生活の様子などについて話を聞く。

・フィリピンの国や文化などについて話を聞いたり,フィリピンの遊びを実際にやってみたりする。

・インドネシアやベトナムの文化や習慣について話を聞いたり,それぞれの国の遊びや歌を紹介してもらったりする。

・紹介してもらった遊びを実際にやってみる。

 

(実践上の工夫点、留意点等)
・児童が話を聞くだけではなく,映像を見たり体を動かしたりすることができるように,紹介の仕方をお願いした。
・上記の理由から,視聴覚室やホール等,広く使える場所で行った。

(成果)
・イタリアやフィリピン,インドネシア,ベトナムの国や生活,食べ物などについて話を聞くことにより,興味を持たせることができた。
・講師から紹介された遊びを実際に体験させることで,外国の文化に触れる楽しさを味わわせることができた。

【児童の感想】
・外国人と初めて接して,とても楽しかった。
・今までやったことのない遊びを紹介してもらって,日本とは違うんだなあと思った。
・イタリアの人はナポリタンを食べないと知って,びっくりした。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・オリンピック・パラリンピック・ムーブメント推進校としてどのような取組をしていけば良いのか手探りで進めてきた。年度当初にもう少ししっかりした計画を立てる必要があった。

・オリンピック・パラリンピック・ムーブメント教育はこれまで行ってきた当校の教育活動とリンクする部分が多いと感じる。オリンピック・パラリンピック教育の視点から見直した全体計画が必要である。

(宮城県)蔵王町立遠刈田中学校

(宮城県)蔵王町立遠刈田中学校

【目的・ねらい】

学校行事やアスリートとのふれ合い等の活動を通して,次世代の日本を担う子供に求められる身徳知の涵養を図る。

【実践内容等】

(実施内容)
1.文化祭での演劇上演:10/15(土)総合的な学習の時間を,東京オリンピック・パラリンピック教育(以降,本教育と明記)及び志教育と連携させたものである。演劇班は,一昨年の戦後70周年による天皇・皇后両陛下の遠刈田(北原尾地区)のご訪問をきっかけとして,この地区を調査した。そして,戦後パラオ諸島より引き揚げた人々が荒れ地を開墾し,酪農の北原尾に発展させていく生き方を演劇として発表した。上演後には,本校における本教育の意義や今後の活動等について,地域住民等観客の皆様に,代表生徒がパワーポイントを用いて発表した。この模様は,NHKでも取り上げられた。

2.遠刈田小学校6年生学習体験会(道徳・部活動):11/4(金)
中学1年生との道徳合同授業:(主題名)「ふるさと遠刈田に育まれて」本資料は「遠刈田小学校校歌の歌詞」を用いた。校歌の歌詞には,その地の特色や素晴らしさが凝縮されている。そこで,小中学生を8つの混合グループにして,歌詞の中で特に好きな言葉や文節等を書き出し,話し合い活動を行った。本体験会の後半では、部活動見学をした。6年生は、中学校入学後に所属する部活動に思いを馳せていた。

3.アスリートの生き方に学ぶ会(学校行事)
リオパラリンピックの車椅子バスケットボール競技に関わった方々等(宮城MAX監督,選手)を招き,パラリンピックの理念や価値等についての講話を聴いた。その後,監督と選手が学年に入り,話合い活動で交流を図った。

4.地区清掃活動(ボランティア活動)
生徒が月1回,朝30分間,神の湯周辺の清掃活動を行った。安全・安心なまちづくり,地域の方々との交流も行った。

(実践上の工夫点、留意点等)
昨年度,蔵王町の小中高等学校は宮城県教育委員会より「志教育事業推進地区」の指定を受け,実践事例発表会を開催するにあたり研究した志教育の蓄積と,本校で長年重点的に実践してきた「ふるさと教育」を加味することで,本教育を効果的に推進することができた。

(成果)
(実践内容1)文化祭後の生徒のアンケートより上記のアンケートからも伺えるが,この取組は生徒の主体性や協働性の向上,ふるさと遠刈田の歴史と素晴らしさ・誇りを実感させる上で大きな成果をあげた。

(実践内容2)遠刈田小学校6年生学習体験会後の小6児童・中1生徒の感想より
・いつも生活していて気づけなかった遠刈田の自然の美しさに気づいた。・オリンピックやパラオのことについても学習することができた。等(小6児童)・小学校の頃を懐かしく感じた。・中学校で小学校の校歌を歌詞の意味を深く考えるとは思わなかった。それぞれが校歌に対する思いを再発見ことができた。等(中1生徒)

(実践内容3)アスリートの生き方に学ぶ会後の生徒の感想より
・選手の話を聞いて,強い人だと思った。目標やあこがれを持つことは,人が生きていく上での原動力になることがわかった。・普通の人の生活とあまり変わらないことが分かった。「下を向いてはいけない。」という言葉を聞き,私の悩みはちっぽけであり,小さいことでくよくよしてはいけないと思った。車椅子生活はとても大変なものでと思っていた。しかし,今日の話を聞いて「できないことは?」という質問に対して「何ができないのか悩むくらい普通の生活を送っている」という話を聞き驚いた。等

(実践内容4)地区清掃活動後の生徒の感想より
・始めは「寒い」「ねむい」と言いながら行っていたが,その後,みんながゴミ拾い活動を積極的に行うようになった。様々なゴミも探し始め,清掃活動が楽しくなった。・普段あまり会話がない人と,何気ないコミュニケーションをとることができた。短い時間だったが,町がきれいになったと思う。・自転車に乗っていた人とひれ違ったが,清掃活動に関心がないようだった。住んでいる人が気にならないのならば,いつの間にかゴミだらけになってしまうかも知れない。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

知識理解の習得や一過性の学校行事だけでは,生徒の主体性や協働性を育ませることは難しい。各教科や学校行事・各種教育と効果的に連携させ,年間を見通した実践ができるかが本教育を推進していく上で重要になる。

(宮城県)利府町立利府中学校

(宮城県)利府町立利府中学校

利府中学校 ①

【目的・ねらい】

中学校の教育課程において,オリンピック・パラリンピックに関連付けた運動及び文化的な活動を中学生に体験させることを通して,国内開催のオリンピックの士気高揚に資する。

【実践内容等】

(1)実施内容:体育大職員によるスポーツストレッチや体幹トレーニングについての講話や実技講習を受ける。

(2)期待する効果:生徒にスポーツやオリンピックに対する知識を持たせ体験させるとともに,4年後に国内で開催する東京オリンピックの意識を高揚させる。
【保健体育:関心・意欲・態度,知識・理解】

(3)実施内容の具体
実施日:平成29年1月27日(金) 5・6校時 (1:10~3:10)
場所:利府町立利府中学校体育館
対象生徒:1年生(161名)・2年生(138名)(他 学年担当職員)
講師:白坂 広子(しらさか ひろこ) 氏 (女性)(仙台大学職員)
(西フロリダ州立大学卒業,オーガスタ州立大学院修了,日本国内プロバスケリーグチーム専任アスレティックトレーナー,現仙台大学新助手:宮城県在住)
講義内容:体の動き(理論)と体幹トレーニング(実践)について 他
実施内容:講義及び実技演習
実施協力:仙台大学(事業戦略室 室長 西塚 重良)

(実施内容の続き)


(講義する白坂講師)


(プレゼンの説明)


(実技演習する生徒)


(指導補助の仙台大学の学生)

(実践上の工夫点、留意点等)
・単なる講義にならないよう,パワーポイントによる映像(動画)等を活用しながら中学生にも分かりやすく説明を行った後,実際に体幹トレーニングを生徒に行わせることにより,これからの体育の授業や部活動における各種活動時に取り入れることを目的の一つとして,事前に協力部局及び講演者と連携を密に行った。

・運動の基礎理論とトレーニングの重要性を講義による知識・理解とオリンピック選手にもつながる演習での体験により,目標や目的をもって地道な努力を重ねることが自分を成長させることにつながるものである,といった趣旨の講義演習になるよう事前に講演者と打ち合わせた。

(成果)
・パワーポイント等を活用した講義により,視覚的にも分かりやすい内容であった。また,オリンピック選手のトレーニング等にも触れた内容であり,オリンピックを身近に感じることができた。

・講師自身の体験や失敗談などを交えての説明により,世界の一線での競技経験のある各種選手にも苦労があり,努力が必要であることを強く感じさせることができた。

・講義後は,参加した生徒の多くが,楽しかった・自分の体の動きを改めて知ることができた・部活動に取り入れたい等の感想が寄せられ,これからの学校体育における運動の楽しさにつなげることができた。

・体育大の学生による補助があり,体を動かすことに苦手意識をもつ生徒も安心して実技演習に取り組むことができた。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・教育課程を編成する上で,授業時間として講演等を設定するにあたり,学校及び学年で設定している教科等の時間との整合をどのように図っていくか(事前・事中・事後)。

・単に講演を実施するだけでなく,オリンピックムーブメント(オリンピックへの社会的運動)に対する手立ての構築と継続的実践の在り方について,生徒及び家庭,地域の関心・意欲をどのように高め,周知させていくための望ましい在り方をどのように継続実施していくべきか。

 

 

利府中学校 ②

【目的・ねらい】

中学校の教育課程において,オリンピック・パラリンピックに関連付けた運動及び文化的な活動を中学生に体験させることを通して,国内開催のオリンピックの士気高揚に資する。

【実践内容等】

(実施内容) ※適宜、様子を示す写真、図表、記録を含めてください。
(1)実施内容:文化部(美術部・社会部)が協力し,2020東京オリンピックのPRにつながる応援ポスターを作成し,校内に掲示し,オリンピック・パラリンピック・ムーブメントの意識高揚につなげる。

(2)期待する効果:オリンピック・パラリンピックムーブメントに貢献できるポスター等を生徒のアイディアで作成し,掲示等を行うことで,来るオリンピックへの士気高揚を味わわせる。【部活動:教育課程との関連・関係機関との連携】

(3)実施内容の具体
実施期間:平成28年10月~平成29年2月
場所:利府町立利府中学校
対象生徒:社会部(文化部)・美術部(文化部)
活動内容:デザインを美術部が制作・精選し,社会部がコンピューター処理によるポスターに仕上げる。作成したポスターは校内でパネル展示を行った。制作した作品はその後,校内に常設展示とし,オリ・パラムーブメントに活用する。

(実践上の工夫点、留意点等)
・文化部同士の協働作業を取り入れながら,外部機関との連携を図った。部活動等においては,各部単位による活動が主なものとなるが,異なる部活動が同じテーマで考えたアイディアをリレーし,一つの作品をつくりあげることで相互にかかわり合う意識の醸成につながると考えた。

・町役場等の外部機関と連携を図ることで,生徒の作品等が地域に公開され,それが生徒の活動の外的動機付けにつながると考えた。

(成果)
・スポーツ以外の視点からもオリンピックムーブメントに対する関心・意欲が高まった。前年度はタウンマップ作成のため,実際に役場に出向き役場職員による学習会を開催したり,休日の部活動時間帯には顧問とともに町を実際に歩き,観光客の視点で自分の町を見直したりしながらマップを作成した。このことが今年度の活動に生かされ,部活動間のアイディア交換がスムーズであった。一度作成した作品を客観的に検討し,よりよい作品づくりをしようとする意欲の向上につながった。

・相手意識を持ちながら,自ら進んで課題に取り組み,成果に結びつける意欲が高まった。アイディアの精選にあたっては,美術部の視点が役にたった。作成したポスターをさらに見る者の視点で考え直し,目を引くポスターにしたことは,生徒の創意工夫と着眼点を養うことにもつながった。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・部活動等にオリンピックムーブメントを設定するにあたり,教育課程の編成上,文化部等における活動範囲をどこまで設定していくか。

・部活動等を通して,オリンピックムーブメント(オリンピックへの社会的運動)に対する手立ての構築と継続的実践の在り方について,生徒及び家庭,地域の関心・意欲をどのように高めていくべきか。(一過性の活動にしない手立てとして)

・制作物がある場合,その財源確保をどのようにしていくか。(当初計画のものが途中で変更になったり,予定以上の予算がかかったりすることがあるため)

 

 

利府中学校 ③

【目的・ねらい】

中学校の教育課程において,オリンピック・パラリンピックに関連付けた運動及び文化的な活動を中学生に体験させることを通して,国内開催のオリンピックの士気高揚に資する。

【実践内容等】

(1)実施内容:外国語の学習の一環として,来日する外国からの観光客等へ各国の言葉(中・韓・英語 等)に触れるとともに,異文化理解の視点から様々な情報を獲得する。

(2)期待する効果:英語を含む各国の外国語に触れることで,実際の場面で生きてはたらく言葉の学習に役立たせる。
【外国語(英語):関心・意欲・態度,表現の能力】
【国際理解教育:関心・意欲・態度】

(3)実施内容の具体
実施日:平成29年1月25日(水) 6校時 (2:10~3:10)
場所:利府町立利府中学校図書館
対象生徒:2学年生徒(138名)
授業者:MIA(宮城県国際化協会)登録者(韓国・中国・アメリカ)
授業内容:各国の文化等の紹介・各国の言語によるあいさつ,自己紹介(名前・所属・場所の名称等),簡単な語彙の学習,質疑応答 他
実施内容:講演・演習
実施協力:MIA(宮城県国際化協会)


(中国語) 【中国語の発音練習】


(韓国語) 【韓国語の発音練習】


(英語(ハワイ語)) 【アメリカ(ハワイ)の紹介】


(表現練習 ) 【韓国語での表現練習】

(実践上の工夫点、留意点等)
・単調な外国語の練習にならないように,事前に授業者と十分な打ち合わせを行い,それぞれの自国の文化や伝統,習慣等の紹介を生徒との対話形式で行うことにより,授業者の母国への関心・意欲を高めさせた。また,三か国ともオリンピック開催国であるので,それぞれの国でのオリンピックについても簡単な紹介・説明を行うことで,オリンピックへの関心を高めさせるようにした。

・表現練習においては,クイズ形式や英語・日本語との併記による練習を行うことで,飽きずに学ばせるよう配慮した。

(成果)
・英語以外の言語や文化,習慣等に親しみ,国際理解に対する関心が高まった。中学生にとって,中国・韓国は知られた国々であるが,それぞれの国の出身者に直接触れる機会はほとんどなかった。そのため,生徒は新鮮な感覚で授業者の説明や話を聞き,各国のことばの練習に意欲的に取り組んだ。授業終了後も覚えたことばを発話するなど,異文化理解につながった。何より,前年度も講師としてお世話になったMIAに協力をいただいたことで生徒の親しみの度合いが高まった。

・2008年開催国の中国(北京),2018年冬季オリンピック開催国の韓国(平昌)を含む三か国から協会登録者を派遣してもらうことができたため,オリンピック及び開催国への親近感が高まった。

・授業者であるMIA(宮城県国際化協会)のスタッフからは,今後も生徒とかかわりをもち,オリンピック開催まで定期的に異文化理解学習や言語学習をしていきたいという意見があがった。

・今回の授業をはじめ,オリンピックも人とのかかわりが大切であることに気付かせることで,周囲の人やものと積極的にかかわろうとする意識の高まりがみられるようになった。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・教育課程を編成する上で,こうした授業等を設定するにあたり,学校及び学年で設定している教科等の時間との整合をどのように図っていくか(事前・事中・事後)。

・外部講師による授業実践等を通して,オリンピックムーブメント(オリンピックへの社会的運動)に対する手立ての構築と継続的実践の在り方について,生徒及び家庭,地域の関心・意欲をどのように高めていくべきか。

 

 

利府中学校 ④

【目的・ねらい】

中学校の教育課程において,オリンピック・パラリンピックに関連付けた運動及び文化的な活動を中学生に体験させることを通して,国内開催のオリンピックの士気高揚に資する。

【実践内容等】

(1)実施内容:保健体育の授業や運動部活動の指導において,活動中の動きを生徒自身に即時的且つ客観的に提示できるようにする。それにより,指示や説明だけでなく生徒が自分でイメージしている運動と自身の運動記録との差異を認識させることでよりよい運動に取り組む意欲の向上につなげる。

(2)期待する効果:自らの運動状態をリアルタイムで映像等により振り返らせることで,客観的に見つめさせたり専門的知識及び技能を習得した経験者とともに運動部活動を体験させたりすることで,運動の楽しさやチームワークの大切さを学び,体力及び技能の習得に役立たせることにつながる効果が期待できる。
【保健体育:関心・意欲・態度,運動に関する知識・理解】
【部活動:スポーツ等に親しみ,好ましい人間関係の形成・関係機関との連携】

(3)実施内容の具体
実施期間:平成28年10月~平成29年2月
実施時間:部活動時間帯(含 休日活動,練習試合,大会参加含む)
場所:利府町立利府中学校体育館及び校庭
対象生徒:運動部所属生徒

実施協力:仙台大学(事業戦略室 学生支援センター)


(リアルタイムでの確認)


(戦術面の確認)


(講演時における動きの支援)

(実践上の工夫点、留意点等)
・できるだけ時間を空けずに生徒に確認させ,自身の運動を客観的にとらえさせるようにした。

・部活動支援においては,単に運動状態を確認するだけでなく,集団スポーツの意義から,チームワークを高める視点での支援を中心に行った。そのため,ゲーム等の記録(映像)を示しながら個々の動きのバランス(コーディネーション)について選手相互に考えさせる場を多く設定した。

・本事業における仙台大学講師による講演(実技講習)でも,支援学生の協力により動画撮影と生徒への提示を行い,参加意識を高めさせるとともに運動状態をその都度確認させるようにした。

(成果)
・スポーツを通して体力と技能の向上に目的意識をもって取り組む姿勢が高まった。各運動目標に向け選手一人一人に適したトレーニングを行わせることで,生き生きとした部活動の継続につながった。

・自分の部活動に対する所属意識の高揚とチームワークの必要性への理解が高まった。学習指導要領における部活動の意義を踏まえ,なぜ部活動があるのか,部活動において何を目的・目標として取り組むべきか,そのためにはどのように取り組めばよいのかを,一つ一つていねいに支援することで,さらに真摯な姿勢で部活動に取り組む姿勢の向上につながった。

・本事業の講座で使用し,講師の話も重ねることで,自己の改善点を見つけ克服するために努力を続けることが,周囲の期待を一身に背負い努力を続けなければならないオリンピック選手の立場や気持ちを理解させることにつながった。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・タブレット等の使用は効果が高いことが実証されたが,恒常的に使用するための汎用化を職員に周知させるためにはどのように伝講していくべきか。

・部活動支援を実施する上で,体育大学をはじめ,地元の各大学に対し,教員を志望する学生を継続的に要請するためには今後どのように手立てを講じていくべきか。(協力要請の在り方,支援活動における援助費(交通費等の支給),安全対策(保険加入の予算化)等)