宮城教育大学

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目標・ねらい

子どもの人格形成及び地域共同体の形成・発展におけるスポーツの力について理解し,スポーツの持つ力を学校体育に生かす方法を学ぶ.具体的には,(1)戦時復興期にあるカンボジアにおける運動会・学校体育に関わる教育支援活動の実態を通じて,スポーツの持つ力について理解し,(2)子どもの生活課題・発達課題及び地域の抱える課題を調査を通じて把握し,(3)そこでつかまれた課題に応える体育授業づくり(プレイの学習・体育理論)を行うことを目的とする.

実践の内容

(1)途上国への教育支援活動(カンボジアの子どもたちに学校体育の素晴らしさ伝えるプロジェクト)
上記の講義受講生に対してカンボジアにおける国際教育支援活動を行うプロジェクトへの参加を呼びかけ、結果的に7名の受講生が参加した。4月以降、①プロジェクトの運営及び内容(カンボジアにおける運動会・体育授業)の準備・企画、②カンボジアの政治・経済・文化、学校教育の制度・内容の歴史、今日的な学校教育の実施上の課題についての学習会、③東日本大震災被災地域(気仙沼市・東松島市)における現地調査・聞き取り調査、④「復興」期における体育・スポーツが果たす役割を考え合うシンポジウムの企画・運営に取り組んだ。
プロジェクトの実施後、上記講義受講生に対して取り組み内容を報告するとともに、主として④「復興」期における体育・スポーツが果たす役割についてのシンポジウムへの参加を通じて、子どもの必要・要求に応える学校教育とはどのようなものか、体育・スポーツはどのような役割を果たしうるのか、体育授業・体育行事は、どんな目的・内容を備えるべきなのかについて考えた。

実践の成果

①   プロジェクトへの参加を通じて

・教育の形や学校はくにによってさまざま。勉強を教えるだけが教育ではないと思う。カンボジアの子どもたちにとって本当に必要な学びとはなんなのか?また、学校の持つ意味についても考えられるようになった。日本では行くのが当たり前だが、カンボジアでは行きたくても行けない子どもがいる。では、行けない子に対して学校はどんなことができるのかを考えたいと思った。

・(カンボジアの)子どもたちが職に就くために必要なのは学力なのでしょうか。勉強なんかより、職に就くための技術や方法を身につけたりする方が、彼らの生活のためになるのではないなかと思います。それでも子どもたちは、学校に行って勉強したいと思っています。そんな子どもたちに対して、学校ではなにを教えればよいのか、カンボジアの子どもたちに必要な教育って何なのか…今の競争社会の世の中で、生きづらさを抱える子どもは必ずいると思います。震災とは違うつらさや人に言えない悩みを抱えています。そんな子どもたちに必要な教育は、やはり自分が生きている意味や生きたくても生きられない人の分まで生きる意味を考えさせ、感じさせることだと思います。