福岡県飯塚市立飯塚第一中学校

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目標・ねらい

スポーツイベントには、どのような関わり方があるのかを知り、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをはじめとする様々な国際イベントから、自分たちの身近なスポーツイベントへの関わり方を考え、関心を高めることをねらいとする。

実践の内容

(1)実践日時   平成28年2月
(2)授業内容   体育理論:「スポーツへの多様な関わり方」
(3)実践授業の検証方法
①実践前と後での生徒の意識変容の分析(アンケート)
②生徒の授業後の記述分析
(4)授業の実際

①導入
導入時に、生徒たちの本時に対する興味・関心を高めるために、前回大会(ロンドン大会)開会式の画像を見せた。画像を見た後で、「この大会では約25万人の人々が様々な形で関わっていました。では、選手として関わった人数はどれくらいだと思う?」と質問を投げかけた。生徒たちは、正解(10,666人)を聞いて、「じゃ、残りの24万人は?」と早速疑問を抱いていた。そこで、本時のねらいの一つでもあるスポーツイベントへの関わり方、「する」「見る」「支える」という関わりについて説明を行った。

②展開
展開では、「する」「見る」「支える」という視点を、より深く捉えさせるために、1984年のロス五輪女子マラソン(アンデルセン選手)の映像を視聴させた。3分間ほどの映像だが、極度の脱水症状の中、必死でゴールへ向かう「選手」と、それを大歓声で見守る「観客」、また、一番近くで手をさしのべようか、ゴールさせようか選手を支える「大会役員」たちの姿が見事に映し出される。生徒たちは、選手、役員、観客という三者の立場に分かれ、それぞれの心境に迫り、互いに意見交流するという協調学習の手法に取り組んだ。
この手法の特徴は、1人の生徒が3者の心情を読み解こうとするのではなく、生徒3人がそれぞれの立場に分かれて一人の心情に迫り、自分なりの解釈を仲間に説明し、仲間から違った角度からの質問や意見をもらう中で、より深まった見方、考え方を作り出していくという学習方法である。生徒が記入したワークシートを見ると、3人がそれぞれの立場に立って考えたことを交流し合ったことで、様々な考えが記入されている。

③まとめ
まとめの時間では、オリンピックから離れ、自分たちの身近な生活に目を向けさせた。部活動、体育会等様々なスポーツイベントに、どのような関わり方ができるか。生徒たちは、真剣な表情でワークシートに自分の思いを記入することができた。運動部活動に所属する男子生徒は改めて「周囲の支えへの感謝」を述べていた。女子生徒は、部活動に所属していないが、この授業を受け、自分の今後のスポーツへの見方や考え方が変わるかも知れないと述べ、本実践が生徒の心に届いたことを表している。

実践の成果

〇生徒の意識の変容
【表1】は、実践前と後で実施したアンケート結果である。実践前と比較して、オリンピックなどの国際的なスポーツイベントについて様々な立場からスポーツに関わることに興味が「とてもある」又は「少しある」と答えた生徒が大幅に増え、2つを合わせると、80%の生徒が興味を示したことがわかる。この80%の生徒たちの中には、運動部やクラブチームに所属するなど、運動やスポーツに対して以前から関心が高かった生徒もいるが、そうではなくもともと運動やスポーツが苦手で、関心も薄かった生徒たちが、「する」だけではなく「見る」や「支える」といったスポーツへの関わり方、楽しみ方を知ったことで、意識が高まった生徒が増えたと考えられる。

〇生徒の記述の分析
本報告書「③まとめ」の部分で掲載しているとおり、大きなスポーツイベントや身近な運動スポーツに対する前向きな記述がほとんどを占め、意識の高まりが見て取れた。中でも、特に関心がなかった生徒が「今後、自分の中にあるスポーツへの考え方が変わるかも知れない」などの記述は、今後の取り組みに大きな力を与えてくれるものである。

飯塚第一中学校グラフ