福岡県筑紫野市立筑紫野中学校
福岡県筑紫野市立筑紫野中学校
目標・ねらい
オリンピック・パラリンピック(特にパラリンピックや障害者スポーツ)について学習することにより、スポーツの素晴らしさや多様な関わり方について考える良い機会とする。また、2016年のリオ大会、2020年の東京大会に向けてその機運を高めるきっかけとしたい。
実践の内容
事前 『アンケートの実施』…事前に生徒の意識と予備知識についての調査を目的として実施した。
1. 『オリンピズム・パラリンピズムの価値についての学習』
オリンピックとパラリンピックの価値についての学習を中心に授業を実施した。
2. 『パラリンピックと障害者スポーツについて』
1を受けて、パラリンピックと障害者スポーツに焦点を絞って様々な競技や大会、選手について学習
を実施した。
課題 『オリンピック・パラリンピックに関する調べ学習』
1,2を受けて、オリンピックとパラリンピック(障害者スポーツを含む)に関する調べ学習を冬季休業
中の課題として実施した。(1人2部作成)
3. 『アスリートの魂〜終わりなき挑戦 視覚障害者ランナー 道下美里〜』(TV番組)を使った学習
これまでの学習を受けて、障害者スポーツを取り巻く環境や講演会に向けての事前学習と位置付け
て実施した。
4. 『ブラインドランナーとガイドランナー体験』
講演会に向けての事前体験学習と位置付けて実施した。
5-6. 『講演会「いっしょに走ろう」(パラリンピアン:道下美里さんと伴走者:堀内規生さん)』
スポーツを「する」「みる」「支える」の視点から講演をしていただいた。
事後『アンケートの実施と講演会のまとめ』
…事後の生徒の意識の変容とこれまでの学習効果についての調査を目的として実施した。
『オリンピック・パラリンピック・ギャラリー』の設置
対象生徒である2年生のフロアに『オリンピック・パラリンピック・ギャラリー』を設置した。
日常の生活の中で、生徒が自由に見ることができることをねらいとした。
実践の成果
アンケート結果より、オリンピックやパラリンピックについて、次のような結果となった。
事前調査 | 事後調査 | 増 | |
2016年の「オリンピック」リオ大会をテレビ等で観ますか | 2.78 / 4 | 3.42 / 4 | +0.64 |
2016年の「パラリンピック」リオ大会をテレビ等で観ますか | 2.42 / 4 | 3.37 / 4 | +0.95 |
「スポーツに関わるボランティア活動」についてどう思いますか | 2.48 / 4 | 2.93 / 4 | +0.45 |
○今夏のリオ大会については、生徒の関心を高めることに成功したと言える。特に本校がテーマとしたパラリンピックについてはオリンピックと変わらないくらいの関心があった。これは、「知る」「体験する」「深める」と段階をおった丁寧な学習や、効果的に映像教材を使用したこと。地元出身であり、かつメディアへの露出が多い講師を招聘することができたことが大きな要因であったと考える。また、今回の講演の様子等を含む講師のドキュメンタリー番組が3月にNHK、4月にRKBで計画されており、その後のリオ大会まで、生徒の目に触れる機会も多々あることが予想できる点も大きな要因であると考える。
○『オリンピック・パラリンピック・ギャラリー』については、授業で使用した映像、書籍、生徒のレポート、新聞やネットの記事を置いた。授業で学ぶことだけでなく、移動教室の際や昼休みの中で生徒の足を短時間止めることができ、オリンピックやパラリンピック、障害者スポーツへの興味・関心が高まっていったと考える。
○その他の成果として、今回の学習において、「パラリンピックと障害者スポーツ」をテーマにしたことで「教科」の内容だけでなく、「教科」を越えた学習効果もあった。「パラリンピックと障害者スポーツ」をテーマにした学習のさらなる発展が期待できること。また、今回の講師選定の際に感じていたことであるが、さらなる地域人材の発掘、活用も期待できると考えられる。
○最後に、本校は、視覚特別支援学校との交流が毎年複数回あること、NIE活動により各教室に新聞が毎日2紙届けられること、全教職員が協力的であったことなど環境面で恵まれすぎているくらいであった。また、講師の方や関係団体も協力的で、限られた時間の中での取組としては成果も十分あり、来年度、さらに深めた取組ができることを期待し、現在計画中である。