第2回オリンピック・パラリンピック教育授業づくりワークショップ

第2回オリンピック・パラリンピック教育授業づくりワークショップ

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筑波大学オリンピック教育プラットフォーム(CORE)は2015年7月24日(金)、文部科学省、嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センターとの共催で、オリンピック・パラリンピック教育の実践的な授業づくりに関するワークショップを開催しました。

今回は、昨年度の12月に続く第2回の開催となります。東京都内の「オリンピック・パラリンピック教育推進校」の教員の方々に加え、宮城県、京都府、福岡県等遠方からも足をお運びいただき、ワークショップ参加者は52名、オブザーバー23名のご出席を賜りました。

1.開会あいさつ

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文部科学省オリンピック・パラリンピック室長の田中聡明氏より、今後のオリンピック・パラリンピック教育が2020年大会の無形のレガシーとして、またそれが将来の我が国における共生社会の実現につながることを示していただきました。

 

 

2.2020年に向けたオリンピック・パラリンピック教育

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筑波大学の真田久氏(体育系教授・CORE運営委員長)が、今後の教育プログラムを検討する際の柱となるオリンピック・バリュー(Excellence, Friendship, Respect)とパラリンピック・バリュー(Determination, Courage, Equality, Inspiration)について、実際のアスリートのエピソードを交えて紹介しました。
また、2020年の東京大会に向けて、日本の特色的な活動として「努力することの大切さ」、「心のバリアフリー」、「道徳教育への連携」、「文化プログラムとの連携」を意識したプログラムづくりを提案しました。

 

3.オリンピック・パラリンピック教育の実践報告

小学校および中学校における実践事例について、都内3校よりご発表いただきました。

1) 村越玉恵氏(葛飾小中一貫教育校高砂けやき学園 葛飾区立高砂小学校)

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村越氏は、東京都オリンピック・パラリンピック教育推進校の指定を受けた同校において、①「する・みる・ささえる」の多様なスポーツへの関わりの促進、②伝統的身体文化としての能の体験、③障害者アスリートとのふれあい(アーチェリー)、④児童個々の「おもてなし」アイデアの考案を含む教育実践について報告されました。

 

2) 脇本綾子氏(荒川区立瑞光小学校)

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脇本氏は、同じく東京都オリンピック・パラリンピック教育推進校としての児童の体力向上の成果を報告し、具体例として①年間を通した校庭解放の実施、②オリンピック、パラリンピック、デフリンピック選手とのふれあい事業、③「キンボール」(カナダのスポーツ)を通した地域交流(荒川区と連携)、④アスリートによるコーディネーショントレーニングの実践報告を行いました。

 

3)長岡樹氏(筑波大学附属中学校)

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長岡氏は、とくに中学校の総合科目におけるオリンピック・パラリンピック教育の取り扱いについて、①ブラインドサッカーの体験、②留学生とのふれあいを通した国際理解教育、③古代オリンピックのスタート装置開発やオリンピック・パラリンピック新聞の作成等の事例について紹介しました。

 

 

4.ワークショップおよび発表

3校の事例紹介に続き、参加者によるワークショップを実施しました。学校区分のバランスに配慮した10グループを編成し、オリンピック・パラリンピック教育の実践アイデアについて、教科や学校の枠組みを超えて活発な議論を行いました。

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ワークショップ後には、各グループ5分の持ち時間で各アイデアに関するプレゼンテーションを行い、参加者およびオブザーバー間の投票により第5班のアイデアが最優秀賞に選ばれました。
各アイデアの写真は、下記よりご覧いただけます。

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1班:「ようこそ右代選手」

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2班:「2020フードオリンピック~おもてなし飯を考えよう~」

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3班:「茗荷谷学校オリンピック2015」

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4班:「日本文化を再発見しよう!」

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5班:「2020年あなたはオリパラにどう関わる?」

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6班:「2020年の自分~16歳の自分にできること(6年生)」

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7班:「つながろう~様々な人々と交流しよう」

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8班:「オリンピック・パラリンピック教育の可能性~理念を学ぼう~」

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9班:「オリンピック・パラリンピックの精神を日常に活かす」

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10班:「こんなオリンピックはいやだ~フェアプレーの視点から~」

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5.閉会あいさつ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA筑波大学の真田久氏(体育系教授・CORE運営委員長)はおわりに、2012年のロンドン大会で行われた英国のオリンピック・パラリンピック教育が今も約50%の学校で継続的に実践されている事例を紹介した上で、2020年やその先に向けて、各学校ですでに実践されている活動に「オリンピック・パラリンピック教育」という色付けをしていきたい旨を示しました。
また、第1回に続き全体コーディネーターを務めた筑波大学の宮崎明世氏(体育系准教授・CORE、写真中央)からは、今回のワークショップ形式から将来的には「アワード形式」、参加者が各学校で実践した事例を持ち寄って互いに報告する機会として発展させていく方向性が示されました。