(福岡県)宗像市立吉武小学校

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【目的・ねらい】

福祉学習(視覚障害)を通して、社会生活の中で共に生きていくために自分ができることを見つけたり、パラリンピックの選手に体験やエピソードを聞くことにより、挑戦し続けるすばらしさについて気付いたりすることができる。

【実践内容等】

日時:平成28年12月2日(金)10:00~11:30
場所:吉武小学校体育館
対象児童:第4学年20名
講師:ゴールボール選手「小宮 正江さん」
内容:『「挑戦」~私にできること~』

1 自己紹介

【自己紹介の様子】


【ゴールボールをしているときの様子(ロンドンパラリンピック)をビデオで鑑賞する子供たち】

2 ゴールボールの簡単な説明


【ボールとアイシェイドの説明をする小宮選手】


【アイシェイドを着用すると視界が遮られ、周りが見えないといっている子供の様子】

・3人一組で、アイシェイドをつけて、ゴールにボールを転がす。
・ボールの中に鈴が入っているので、その音を聞きながら、ボールの転がる方向を考える。
・ペナルティ(反則)もあり、その際には、ペナルティスローが与えられる。


【実際にボールを触って、かたさや重さを確認する子供たち】


【小宮さんとパスをする子供たち】

3 小宮選手の話から
小宮選手からは、「自分の病気が発症し始めてから、自暴自棄に陥り、家族や周りの人たちに迷惑をかけたこと」「たくさんの人たちから支援してもらったこと」「そしてたくさんの人に対して感謝していること」「だからこそ今の自分がいて、挑戦し続けることができること」などの話をいただいた。
普段は話を聴くことが苦手な子供が多い学年だったが、ご本人を目の前にして、とても心に響くことがあったようで、真剣に話を聴いていた。

【子供たちの主な感想】
○パラリンピックの映像を見ていると、まるでボールが見えているように反応しているので、ビックリした。世界で1番になるってことは、本当にすごいことだと思った。

○自分は、いつもすぐにあきらめてしまうので、少しずつでもいいから途中で投げ出さないように頑張ろうと思った。

○初めて金メダルを触った。重たかった。触らせてもらえて嬉しかった。

※貴重な体験をさせてもらった。苦労もあっただろうに、本当にすごいことだ。支え合っていくこと、それは、地域に通じるものがある。(地域の方の感想)


メダルを手に取り、喜ぶ子供たちと地域の方

4 まとめ
小宮選手との交流を通して、子供たちは、「挑戦し続けること」「周りの人に感謝する気持ち」の大切さを学ぶことができた。また、視覚障害をもちながら、アスリートとして、パラリンピックに挑戦する小宮選手と出会って、子供たちも「自分もあきらめずに、何かできることがあるのではないか?」と自分を振り返ることのできるよい機会となった。

5 その他の取組
宗像市は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、ブルガリアの新体操チームのホストタウンとして、交流を進めてきている。本校は、拠点地となるであろう「グロ-バルアリーナ」が校区に所在する。そこで、オリンピック・パラリンピック・ムーブメント事業で紹介いただいた江上先生から高学年の子供たちが「おもてなしの心」について学んだ。子供たちは、挨拶の仕方一つをとっても「いつも相手を意識して、おもてなしの心で接する」ことの大切さについて学ぶことができた。また、その中で、「外国の方は、右手で握手すること」や「話をするときは、相手の目を見て、笑顔で接すること」など、具体的事例を紹介していただき、外国の方と接する機会の多い本校では、子供たちがすぐに取り組むことのできる授業内容だった。


【同時礼と分離礼を学ぶ子供たち】


【外国の方との接し方(グローバルマナー)を練習する子供たち】

子供たちは、これらの事業を通して、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに大きな期待感を抱くことができた。そして、この2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、子供たちが何かしらの形で参加できるように今後もサポートし続けていきたい。

(実践上の工夫点、留意点等)
・年間計画の中にあった福祉学習の学習内容の中に、本実践を組み込むことで内容の充実を図るとともに、手軽にできるオリンピック・パラリンピック教育にした。

・ゴールボールを実際に体験させることで、競技者の技術の高さを実感させるとともに、パラリンピック種目への理解を深めることができるようにした。

・パラリンピアンや講師の先生と事前確認を密にして、学習のねらいを共有できるようにした。

(成果)
・パラリンピアンと直接、交流する場を設定したことで、パラリンピアンを身近に感じることができたとともに、パラリンピックや障害者スポーツへの関心を高めることへつながった。

・参加体験型の学習を行ったことで、おもてなしの精神やグローバルマナーについて実感を伴った理解を図ることができた。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

・単発的な学習ではなく、カリキュラムマネジメントの視点から教科横断的なオリンピック・パラリンピック教育の計画を考えていく必要がある。

・大がかりではなく、これまでの学習に一工夫取り入れたオリンピック・パラリンピック教育の実践を工夫していく必要がある。