(茨城県)常陸大宮市立大宮中学校

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【目的・ねらい】

オリンピック・パラリンピックについて調べたり,競技を体験したりすることにより,オリンピックやパラリンピックへの興味・関心を高めるとともに,生徒が生涯にわたって豊かなスポーツライフを継続するための資質や能力を養う。

【実践内容等】

1 保健体育科の授業における取組(1学年)

(1)オリンピック・パラリンピック学習についてのオリエンテーション

ア オリンピック・パラリンピックについてのアンケートの実施

(ア)アンケート結果

「オリンピックを知っているか?」
①よく知っている 42% ②少し知っている 37%
③あまり知らない 16% ④全く知らない 5%

「パラリンピックを知っているか?」
①よく知っている 18% ②少し知っている 29%
③あまり知らない 37% ④全く知らない 16%

「今年2016年に開催されたオリンピックの都市は?」
①知っている 86% ②知らない 14%

「2020年に開催されるオリンピックの都市は?」
①知っている 92% ②知らない 8%

「オリンピック・パラリンピックの情報は,何で知りましたか?」
・TV  ・インターネット  ・雑誌  ・その他

以上から,オリンピックに比べ,パラリンピックの認知度が低いことが分かった。また,知るきっかけとしては,テレビ放映やインターネットなどによるメディアの影響が大きいことがうかがえた。

イ 保健体育科の授業の中で,オリンピック・パラリンピックの意義や歴史などについての学習を行った。
記憶に新しい2016年リオ オリンピック・パラリンピックだけでなく,今までのオリンピックでの日本選手の活躍やオリンピックマークの意味などをクイズ形式で問いかけたり,オリンピックの歴史や競技種目についての説明をしたりすることで,2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックへの興味や関心を持つことができた。

(2)オリンピック・パラリンピックについての調べ学習
ア オリンピック・パラリンピックに関して,生徒それぞれが自由にテーマを設定し,書籍やパソコン等で調べ学習を行いながら新聞形式でまとめを行った。
〈生徒がまとめた内容の例〉
「オリンピックの歴史」「オリンピックの種目について」
「オリンピックのボランティアについて」
「オリンピック・パラリンピックに参加する国々について」
「パラリンピックの歴史について」 など

 

【生徒のワークシート】

イ 展示発表やクラスによる発表を行い学年全体への醸成を行った。
生徒それぞれが自分のテーマに沿った調べ学習をすることで,分からなかったことを新たに知識として習得したり,新たに疑問をもち調べたりするなど,よりいっそうオリンピック・パラリンピックに対する知識を深めることができた。

(3)視覚障害者マラソン体験
視覚障害者ランナーやガイドランナーの方々に,ゲストティーチャーとして来校していただきマラソン競技に取り組むことになったきっかけや走る目的についての話を聞いたり,生徒自身が実際に視覚障害者ランナーやガイドランナーの立場になって体験をしたりした。

ア 講師の先生よる講話


ブラインドランナー(浅見さん)とガイドランナー(藤田さん)の二人には,マラソンを始めたきっかけや,二人で走るために大切な事など,経験してきた人にしか分からないような話をしていただいた。
特に,二人の間の信頼関係がマラソンを続けるためには必要だという話しに,生徒は耳を傾けながら聞いていた。

イ 視覚障害者マラソンの体験

ウ 生徒の感想

(4)ブラインドサッカー体験
オリンピック・パラリンピックについての競技体験の場を充実させるために1学年保健体育科の授業(球技・ゴール型)において,ブラインドサッカーの体験を行った。

視覚障害者スポーツを体験したことで,障害者の方への理解を深めるとともに,様々な立場の人たちが障害者スポーツに携わっていることや,障害者もスポーツをライフスタイルの一部としていることを感じることができた。また,競技をしたことだけでなく,普段の生活における障害者との関わり方や接し方についても感想を述べている生徒が多く,体験を通して様々な事を学ぶことができた。

2 生徒会によるパラオ共和国との交流(1・2学年)
東京オリンピック・パラリンピックにおけるパラオ選手団の事前キャンプ実施で,パラオ共和国と常陸大宮市が合意し,その視察等のため来日したパラオオリンピック委員会の方々を本校に招待した。武道,書道や箏の授業を見学した上で体験を行ったり,体育館において本校生徒との文化交流会を図ったりした。

上記の写真は全体会の様子の一部であるが,生徒会長による歓迎のスピーチに続いて,パラオ共和国の方から映像を上映し,国の歴史や文化などを紹介していただいた。その後,生徒からの質問がすべて英語で行われ,お互いの国の理解を深めることができた。生徒達は,「日本と友好が深い国なので,これからもっとパラオについて調べてみたい,もっと友好が深まればよいと感じた。」「オリンピック選手を間近で見られる機会なので,常陸大宮市にキャンプ地が決定して欲しい。」などの感想を述べていた。交流会を通して,オリンピックのことだけでなく,異文化に対する興味・関心を高めることができた。

3 クロスカントリー大会への参加(各運動部活動)
体力の保持増進や競技力の向上のみならず,オリンピアンやパラリンピアンの方々とのふれあいを通し,マラソンや将来のオリンピック・パラリンピックへの興味関心を高めることを目的として,常陸大宮市で毎年開催されているクロスカントリー大会への参加を促した。
大会に参加した生徒からは,「上位に入賞してよかった。来年もがんばりたい。」,「常陸大宮市駅伝大会に向けて練習をがんばりたい。」,「オリンピアンの走りを見てきれいなフォームだと思った。とても勉強になった。」など,生徒は大会に参加したことで様々な事を感じることができたようだ。

 

成果
(1)アンケート結果  ※( )内は,事前アンケートとの比較

「オリンピックを知っているか?」
①よく知っている 49%(△7%) ②少し知っている 39%(△2%)
③あまり知らない 12%(▼4%) ④全く知らない 0%(▼5%)

「パラリンピックを知っているか?」
①よく知っている 39%(△21%) ②少し知っている 47%(△18%)
③あまり知らない 16%(▼20%) ④全く知らない 0%(▼16%)

「今年2016年に開催されたオリンピックの都市は?」
①知っている 100%(△14%) ②知らない 0%(▼14%)

「2020年に開催されるオリンピックの都市は?」
①知っている 100%(△8%) ②知らない 0%(▼8%)

(2)オリンピック・パラリンピック教育を終えて
<生徒の感想から>
・オリンピックやパラリンピックのことについてよく分かった。
・オリンピックの競技やルールのことを詳しく知ることができた。
・視覚障害者マラソンやブラインドサッカーを体験することができてよかった。視覚に障害がなくてもみんなが楽しめるようなものだった。
・東京オリンピックには,選手として参加するのは難しいかもしれないけど,ボランティアで参加できれば参加してみたい。

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

● 本事業を受けて実践するまでの準備期間が不十分であった。特にゲストティーチャーやオリンピアンなどを招待する場合は,スケジュール調整や金銭面での調整が必要になるため,早い時期での計画が大切である。また,本学習をカリキュラムのどこに位置づけるかなど,学年間の連携や計画をしっかりと立てることが必要である。