(福岡県)飯塚市立飯塚第一中学校

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【目的・ねらい】

今後のグローバルな国際社会で求められる日本人ならではの「おもてなしの心」を学び、世界の人々とどのように接したらよいのかを知る。また、アダプテッドスポーツについて学ぶことで、スポーツを通しての「共生社会」について考える。

【実践内容等】

1 実践タイトル設定の理由
昨年度に引き続き、「オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業」の推進校として取組を行った。今年度は道徳の時間、総合的な学習の時間、保健体育科と様々な教科・領域で学習内容を関連付けて、生徒にグローバルの視野を身に付けてもらいたいと願い、取組を行うこととした。以下に、実践の報告をまとめる。

2 実施内容
(1)実践1 平成28年12月7日(水)1校時 道徳の時間
内容  「おもてなしの心」・・・1時間
(2)実践2 平成28年12月13日(火)5校時 総合的な学習の時間
内容  講演会「おもてなしの心とグローバルマナー」・・・2時間
講師 筑波大学客員教授 江上いずみ先生
(3)実践3 平成29年1月31日(火)5校時 保健体育科
内容  「アダプテッドスポーツについて学ぼう」・・・2時間

3 実践の実際
①実践1 「道徳の時間」
本時は、オリンピック・パラリンピック教育全国展開事業における道徳教材(大日本印刷株式会社作成)DVDである「おもてなしの心に学ぶコミュニケーション編」を活用して「オリンピック・パラリンピックを通して学ぶおもてなしの心」を実施した。まずは、2020年に東京でオリンピックが開催されることを確認し、オリンピックやパラリンピックの歴史、その種目数などの基礎的な知識について学習した。その後、海外から来日する選手や観光客等への接し方など、日本と世界の国々とでは、挨拶やマナー面で様々な違いがあることを学習した。学習の最後には、実際に日本人役と外国の方の役に分かれ、グローバルなマナーを意識した挨拶に挑戦した。【右の資料1】は、授業後の生徒のワークシートである。今回学んだことを、将来の夢に向かって活かしていきたいという大変前向きな感想が書かれている。この他にも「これから外国の人と会ったときの挨拶を意識したい」や「修学旅行へ行って京都で外国の方に会ったら、今日学んだことを実践していきたい」など今後の行動目標がしっかりと記入されているものが多かった。


【資料1 生徒の授業後の感想】

②実践2 「筑波大学客員教授 江上いずみ先生の講演会」
本時は、「グローバルマナーとおもてなしの心」と題して、筑波大学の江上いずみ先生をお招きし、講演会を実施した。実践1の道徳の授業で活用したDVDの中にも登場されていたが、そのことは生徒たちに伏せておき、「実は、君たちは一度江上先生にお会いしているんですよ。」と言うと、「あのDVDの!」と思い出す生徒の声が上がった。
この講演会では、実践1の「オリンピック・パラリンピックを通したおもてなしの心」から更に一歩踏み込んで、国際社会で通用するマナーについての内容であった。グローバルマナーということで、国際社会で通用する「マナー(おもてなしの心)とは」が中心で、講師の江上先生がJALのCA現役時代に経験した様々な実話をもとに、生徒の興味関心を引き出しながらご講演を賜った。生徒たちは、この講演会の1週間後に、関西への修学旅行へ出発し、京都の観光地で外国からの観光客に話しかけるという英語科からの課題に対し、自信を持って取組む姿が見られた。


【写真1 挨拶の練習をする生徒】

(1) 実践3
① 「アダプテッドスポーツについて学ぼう」
最後の実践3では、オリ・パラ道徳教材である大日本印刷株式会社作成のDVD「スポーツを通して学ぶ共生社会編」を活用したパラリンピック種目についての学習に取り組んだ。パラリンピック種目は、選手の障がいの種類や程度によって様々なルールの工夫や施設の工夫がなされていること。そして、そのようなスポーツを「アダプテッドスポーツ」と呼ぶことなどを学んだ。学習の中では、シッティングバレーボールの日本代表選手のインタビュー映像やブラインドサッカーの日本代表選手の練習風景などを視聴し、障がいがあってもスポーツに参加できることのすばらしさや、それには勇気が必要なことなどを感じたようだ。

② 「アダプテッドスポーツ(シッティングバレーボール)へのチャレンジ」


前時に学習したパラリンピック種目のうち「シッティングバレーボール」に挑戦させた。導入で前時の学習内容の振り返りを行い、実際の体験に入った。2学期にバレーボールの授業は経験しているが、座った状態で行うパスは大変難しく、なかなか思うようにプレーできないといった感じであったが、座った状態での動き方の練習や、ゲームにおいてのルールの工夫(触球回数を増やす、サーブはコートの中から、コート規格を狭くする等)を行うことで、だんだんとラリーが続くようになってきた。一番盛り上がったシーンは、球技が苦手なA男が前衛でアタックを決めた瞬間だった。普通のバレーボールではまずありえないプレーだっただけに「すごいやん!」「これやったら、みんな楽しめるやん!」など、こちらがねらっていた視点に気付く生徒が現れた。ゲームを終えて、各チームでこのスポーツの魅力や特徴について話し合わせ発表させた。写真3は、発表時の様子と発表されたホワイトボードである。
5組B班の発表の中に、バレーボールが苦手だったA君がスパイクを決めたことが書かれている。みんなが座ってバレーボールをすることで、運動が苦手な人でも平等に楽しめること、障害を抱えた方だけのスポーツではなく、誰でも参加することができることに気付いた発表であった。次ページの資料2は、【写真3】の発表生徒のものである。


【写真3 授業後のまとめを発表する生徒と発表ボード】

感想の中には、シッティングバレーボールの工夫点や、工夫することで誰もが参加できることに気付いたことが記述されている。工夫点の中に「ボールを柔らかい方に変えて」という記述があるが、これは、生徒たちの経験不足を考え、教師側がソフトバレーボールを使用させたものである。
授業のまとめでは、教師側からこれまでの一連の学習の振り返りを行った。道徳の時間でおもてなしの心を学び、総合的な学習の時間でグローバルマナーについて講演を聴き、2020年の東京オリンピックに向けて様々な外国の方が日本へやって来られることに対する「コミュニケーション」についての心構えを習ったこと。そして最後に、アダプテッドスポーツについて学び、実際に体験し、パラリンピックについての理解を深めたこと。これら一連の活動を通して、今後益々進むグローバルな社会で通用する広い視野を持って生きていってほしいことを告げた。生徒の中からは「また、オリンピックについて学習したい」という声が上がった。

(指導上の工夫点、留意点等)
◯ 保健体育科の授業だけではなく、道徳の時間や総合的な学習の時間での取組も入れることで、様々な教科・領域から主題に迫ろうと考えた。

◯ 部活動やボランティア活動での意識の高まりをねらい、4月から最上級生として本校で活躍する、現第2学年で実施した。

◯ アダプテッドスポーツについては、障がいを抱えた方だけのスポーツではなく、性別や年齢、体力差を問わず一緒になって楽しむことができることを感じ取らせるため実際に経験させた。

(成果)
◯ 生徒の感想にも多く記述されていたが、2020年の東京オリンピックが楽しみであるという生徒が増えたこと。来年もオリンピック・パラリンピックについての学習したいという生徒の意識が高まった。(生徒側)

◯ 日本人が世界に誇る「おもてなしの心」について学んだことを、日常の生活の中でも活かしていきたいという生徒が増えた。(生徒側)

◯ オリンピックだけでなく、パラリンピックについても学習し、実際にシッティングバレーボールを体験させたことで、より身近にアダプテッドスポーツを感じさせることができた。(教師側・生徒側)

【オリンピック・パラリンピック教育の実施に伴う問題点】

◯ 教科や道徳、総合的な学習の時間等の関連を図ったより効果的な指導計画の作成

◯ パラリンピック種目を取り上げるにあたり、どの教科領域で取り扱うのか学習内容との整合性の整理