宮城教育大学附属幼稚園
宮城教育大学附属幼稚園
目標・ねらい
(1)研究のための学習として,運動や健康を専門とする教員による学習会をする。
(2)本園の実態把握をする。幼児たちの園での生活を知る手がかりとして,身体活動量計を用いて活動量を測る。その結果を特に活動量の多い幼児と活動量の少ない幼児に焦点をあてて,個人記録をとる。
(3)体を使って遊ぶ遊びの実践例から子どもたちの体力をはぐくむための活動を検討し,体を動かす活動の事例を「きもち」「からだ」「うごき」の視点に分けて捉える
実践の内容
子どもが夢中になって遊ぶ姿とは
〇意欲をもち,主体的に活動すること
〇明確な目的や目標をもつこと
〇自ら進んでアイディアを出せるようになること
〇遊びを深めていくこと
〇遊びの様子が発展していくこと
6月頃に雨樋をつなげて水を流し,園庭に大きな水路を作っていました。ビールケースを運び,雨樋を運び,水を運んで流し,穴を掘るといった,様々な動きが見られます。この遊びは10月初め頃まで続きました。夢中になって遊び,楽しんだ経験は,次への遊びへと広がり,つながっていきます。一つの場面は短い時間でも,長期的に繰り返し楽しむことができるのは,夢中になっているといえるでしょう。発展に即した物的環境だけでなく,教師の見通しをもった援助,友達同士のかかわりや刺激し合うこと,などといった人的環境も大切です。幼児たちは,それらを支えとして,夢中になって遊ぶ経験を重ねていくことができると考えます。
私たちは,この夢中になって遊ぶ姿の中で,体を動かして遊ぶ活動についてより深く考えていこうとしてきました。子どもが,「体を動かすことって楽しい」と感じ,達成感を得て,自ら進んで体を動かす遊びができる子どもの育成を目指してきました。
そして,「体を動かすことって楽しい」と感じ,達成感を得て,自ら進んで体を動かす遊びができるためには,きもち(運動に対する興味・関心・意欲)とからだ(将来の体の土台つくり)とうごき(多様な動き,動きの洗練化)が大切になると考え,環境を整え援助をしてきました。
実践の成果
<幼児の変容>
・園庭で遊ぶ子どもが増えた。
・様々な遊びをしてみよう挑戦する姿が見られるようになった。
・集団での遊びが増えた。(ルールを決める,守る 協力する 相手の気持ちを考える)
・けじめをつけられるようになった。
・集中して話を聞くことができるようになってきた。
<活動量計の活用から>
・自分の動きが目に見える形にすることができ,幼児たちの励みになった。
・活動量計の数値が多い子どもは,体の動かし方がうまく連動している。好きな遊びの時間も一斉活動の時間も積極的に活動できている。
・活動量計の数値が少ない子どもは,生活全体に不安定な面も見られる。本人が興味を持って体を動かす遊びを見付けられるように寄り添いながら,楽しさを味わうことができるように頑張りを認め励ますことが必要。